下川(読み)しもかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「下川」の意味・わかりやすい解説

下川(町)
しもかわ

北海道中央部、上川(かみかわ)総合振興局管内北部の町。名寄(なよろ)市の東隣に位置する。1949年(昭和24)町制施行。町名はアイヌ語「パンケ・ヌカナン」(下の川)の意訳開拓は1901年(明治34)岐阜県からの25戸の入植により始まった。町域の大部分北見山地で、東縁の名寄盆地とオホーツク海斜面との分水界にはウェンシリ岳(1142メートル)をはじめ、500~1000メートル以上の山々が連なるが、町域の中央部を西流する名寄川とその支流の河谷は上流部まで比較的広い。名寄川と支流サンル川の河谷には水田が分布する。乳牛飼育が行われ、牧草地も多い。名寄川沿いに国道239号が通じる。JR名寄本線は1989年(平成1)廃止、バスに転換。森林面積が広く、町域面積の90%を占め、その大部分は国有林である。ペンケ川上流に下川鉱業所があり、銅、亜鉛などを産したが、1983年以来休山。ウェンシリ岳周辺は天塩岳道立自然公園域。面積644.20平方キロメートル、人口3126(2020)。

岡本次郎

『『下川町史』2巻(1968、1980・下川町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「下川」の意味・わかりやすい解説

下川[町] (しもかわ)

北海道北部,上川支庁上川郡の町。人口3775(2010)。名寄市の東に位置し,町域の大部分は北見山地が占め,総面積の80%は国有林である。東隣の西興部(にしおこつぺ)村との境界には,ウエンシリ岳(1142m)をはじめとする山峰が連なっているが,西流する名寄川の河谷は上流部まで比較的広い。1901年岐阜県の団体25戸の入植が開拓の初めで,24年名寄町より分村した。農業は酪農稲作畑作にわたり,田畑は名寄川の段丘上に多く,珊瑠(さんる)には広大な町営牧場が設けられている。非鉄金属の埋蔵が豊かで,南部の下川鉱山は日本有数の銅鉱山であったが,83年閉山した。山林資源を生かした木材加工業も立地している。
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百科事典マイペディア 「下川」の意味・わかりやすい解説

下川[町]【しもかわ】

北海道上川郡の町。北見山地の原始林が広く,林業が盛んで,製材・木工業を営む。中央部を西に流れる名寄川沿いの低地に畑が開け,ジャガイモなどを産する。手のべ乾めん工場もある。下川鉱山は,日本有数の銅鉱山であったが閉山。644.20km2。3775人(2010)。

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