デジタル大辞泉 「下様」の意味・読み・例文・類語 しも‐ざま【下様/下▽方】 1 下の方。⇔上様かみざま。「狩衣の前、―にまくり入れてもゐるかし」〈能因本枕・二五〉2 身分・教養などの低い人々。しもじも。⇔上様かみざま。「―の人の物語は、耳驚く事のみあり」〈徒然・七三〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「下様」の意味・読み・例文・類語 しも‐ざま【下様】 〘 名詞 〙 ( 「しもさま」とも )① 下の方。したざま。⇔上様(かみざま)。[初出の実例]「下(シモサマ)に諸山を望めば、培を観るが若し」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))② 下層階級の者たち。下賤の人々。しもじも。下民。[初出の実例]「凡如レ此失礼は上さまは吉事也、しもさまは無レ便事也」(出典:中右記‐保延二年(1136)一〇月六日)③ 卑しい様子やふるまい。[初出の実例]「茶碗酒の下様を止めにして」(出典:歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)六立)④ 京都で、下京方面をいう。[初出の実例]「此女、これがしなさんやう見んとて、尻にたちて、京ざまに出でぬ。下ざまに行とまりて家有」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)四)⑤ 後世。後の時代。[初出の実例]「兄の太郎の御子を射ころし給しは、すべて悪をしりぞけて善に帰する心也〈略〉天武には又大友皇子もうたれ給ひ、此例は下ざままでも多かり」(出典:愚管抄(1220)一)⑥ 命婦(みょうぶ)、女蔵人、御差を総称していう女房詞。おしも。[初出の実例]「御下様 オシモサマ」(出典:公家言葉集存(1944)四) くだり‐ざま【下様】 〘 名詞 〙① 下る方向へ向かう様子。また、下る時。[初出の実例]「深き河の底より下(くだり)ざまに遙に走り下ぬ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二)② 悪い方向へ向かう様子。[初出の実例]「かれ悪事を思ふはくだりざまの事なれば」(出典:発心集(1216頃か)八) おり‐さま【下様】 〘 名詞 〙 ( 「おりざま」とも )① 下りる時。おりぎわ。[初出の実例]「油断せらるる物〈略〉一 木上りのおりさま地際(ぢぎわ)」(出典:仮名草子・犬枕(1606頃))② おりるときの様子。 くだり‐さん【下様】 〘 名詞 〙 ( 「さん」は接尾語 ) 江戸時代、上方から江戸など地方に出て来た人をいう語。[初出の実例]「好さま、わしが所の下りさん呼んでくだんせ」(出典:洒落本・芳深交話(1780)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例