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下請法

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

下請法

正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」。低額な賃金、過酷な労働条件などを押し付けられることの多かった下請け業者の立場を改善するため、2003年6月に一部法改正がなされた。下請け業者の正当な対価と権利を確保するのが狙い。下請法により、書面の交付、下請代金の支払い期日の明確化、遅延利息の支払いなどが義務づけられた。また下請代金の減額、買いたたき、割引困難な手形の交付、不当な給付内容の変更・やり直しなどの禁止事項も盛り込まれた。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

下請法

下請け業者の利益保護や取引の公正化のため、発注側の親事業者に対し、発注書面の作成・交付・保存などを義務づけており、違反すれば親事業者に対し、最高で50万円の罰金が科せられる。「受領拒否」「減額」「買いたたき」など11項目を禁止行為としている。

(2007-08-04 朝日新聞 夕刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

したうけ‐ほう〔‐ハフ〕【下請法】

《「下請代金支払遅延等防止法」の通称》製造業や広告・出版業などにおいて事業者間で下請取引を行う際の、下請業者の利益保護および下請取引の公正化などを目的として定められた法律。下請業務を依頼する親事業者は、発注時に業務内容・金額・支払期日などを明記した書面の作成を義務付けられ、注文品の受領拒否や返品、下請代金の支払い遅延・減額などは禁止されている。下請法の対象となる取引・親事業者・下請事業者は、事業者の資本金規模や取引の内容に応じて定義されている。昭和31年(1956)施行。

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

下請法

独占禁止法の特別法で、「下請代金支払遅延等防止法」の略。下請取引の公正化及び下請事業者の利益を保護することを目的とし、1956年に制定。2003年に改正案が成立し、2004年4月より適用となった。主な改正内容は以下のとおり。 ○下請の対象として、従来の「物品の製造及び修理に係わる下請」のほか、次の取引が追加された。 ・情報成果物(プログラム、番組、デザイン等)の作成 ・役務(運送、ビルメンテナンス)の提供 ・金型の製造 ○親事業者の禁止行為として以下の行為が追加された。 ・下請事業者にモノの購入や役務の利用を強制すること ・金銭、労務等を提供させ、下請事業者の利益を不当に害すること ・不当なやり直しなど。 また、違反行為があった場合の措置が強化され、罰金の上限が引上げられるなどの改正が行われた。 なお、下請法の適用対象となる範囲は、当事者の「資本金」と「取引内容」の関係から規定される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

下請法
したうけほう

1956年(昭和31)に制定された法律で、正式な法律名を「下請代金支払遅延等防止法」といい、下請法と略称する(昭和31年法律第120号)。親事業者の下請事業者に対する下請代金の支払い遅延、不当値引きなどを禁止することで取引の公正化を図り、下請事業者の利益を保護することを目的としている。独占禁止法(独禁法)により規制される優越的地位の濫用規定を下請取引に特化させた特別法であり、公正取引委員会(公取委)が所管し中小企業庁とともに執行にあたる。
 対象となる取引は資本金区分、および取引の内容で定められる。資本金区分としては、(1)資本金3億1円以上の事業者(親事業者)が資本金3億円以下の事業者(下請事業者)に、または(2)資本金1000万1円以上3億円以下の事業者が資本金1000万以下の事業者に、規定された取引の内容を外注している場合が対象となる。また、情報成果物作成委託(ソフトウェア、プログラム、映像コンテンツなど)、役務提供委託の場合は、(1)資本金5000万1円以上の事業者が資本金5000万円以下の事業者に、または(2)資本金1000万1円以上5000万円以下の事業者が資本金1000万円以下の事業者に、取引を外注する場合が対象となる。資本金の多寡に着目し、取引関係における親事業者の優越的地位を認める規定である。取引の内容としては、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託(建設業については建設業法により規制される)が対象となる。
 本法の適用により親事業者は、下請代金の支払期日を定め(物品等を受け取った日から60日以内)、遅延した際には遅延利息(年14.6%)を支払うこと、発注時に支払期日を定めた書面を交付し、取引記録の作成および2年間の保存義務を負う。
 親事業者は、買いたたき(契約締結に際して他と比較して著しく低い金額で契約させること)、また下請事業者と合意があったとしても、下請業者に落ち度ない理由での下請代金の減額、下請代金の支払遅延、受領拒否、不当返品、物の購入強制、役務の利用強制が禁じられる。また、有償支給原材料等の対価の早期決済、割引困難な手形の交付、不当な経済上の利益の提供要請(手伝い店員の派遣、協賛金支払いなど)、不当な給付内容の変更・やり直しについても禁じられる。そして、これらの違反申告に対する報復措置も禁じられる。
 本法に違反して、公取委から当該行為の停止、下請事業者が被った不利益の原状回復措置等を講じるよう勧告を受けた場合、事業者名と違反事実の概要が公表される。また、親事業者が契約書面の交付、取引記録の作成保存義務に違反した場合には、50万円以下の罰金が科される。独禁法規制である優越的地位の濫用規定においても、同様の禁止規定が備えられていることから、悪質な事例では独禁法違反事件として扱われ、排除措置・課徴金納付命令を受けることとなる。
 2013年度(平成25)、公取委は5425件の下請法違反被疑事件を処理し、4959件について違反行為または違反のおそれのある行為としている。このうち10件について同法第7条の規定に基づき勧告を行い、企業名と違反行為の概要が公表され、4949件について親事業者に対し、違反行為等の改善および再発防止のための行政指導が行われた。[金津 謙]
『粕渕功・杉山幸成著『下請法の実務』第3版(2010・公正取引協会) ▽長澤哲也著『優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析』(2011・商事法務) ▽伊東章二・丸橋透・松嶋隆弘著『下請の法律実務』改訂版(2012・三協法規出版)』

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世界大百科事典内の下請法の言及

【下請代金支払遅延等防止法】より

…下請取引について,親事業者が優越的な地位を乱用し,下請業者に不利益をあたえることのないようにし,両者間の取引を公正にすることを目的とした法律。略して下請法という。1952年ごろ,朝鮮戦争後の不況に対処するため大企業の行った合理化政策は,中小の下請企業を苦境におとしいれ,中小企業団体から下請企業擁護の要請が強く打ちだされた。…

※「下請法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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