遅延利息(読み)ちえんりそく(英語表記)Verzugszinsen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遅延利息
ちえんりそく
Verzugszinsen

金銭を支払う債務を期限 (履行期) までに履行できなかった場合,債務不履行損害賠償として法律上当然に支払わなければならない金銭。債務額に応じて一定の利率で定められるので利息と呼ばれるが,通常の利息とは性質が違う。遅延利息は法定利率 (民事年5%,商事年6%) を原則とするが,当事者間に法定利率をこえる利息の特約があれば遅延利息もその利率による (民法 419条1項) 。遅延利息の率を特に高くする特約 (損害賠償額の予定) も許され,この場合遅延利息については通常の利息の2倍までは利息制限法の制限を受けない (4条) 。

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大辞林 第三版の解説

ちえんりそく【遅延利息】

金銭債務の返済を期日までに履行しなかった場合、損害賠償として支払われるべき金銭。金額は債務額に対する法定利率を原則とする。延滞利息。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遅延利息
ちえんりそく

借り主が、弁済期に借金を返済しなかったために支払うべき損害賠償のことをいう。延滞利息ともいう。金銭貸借上の債務不履行による一種の損害金であり、その実質は、遅延損害金・賠償金であるが、利息と同様に一定の利率と期間によって算定されるので、このようによばれている。遅延利息は、元本債務が無利息か、その約定利率が法定利率より低いときは、年5分(民事の場合)ないしは年6分(商事の場合)の法定利率で計算する。約定利率が法定利率より高いときは、その約定利率により計算する(民法419条1項但書)。なお、利息制限法第4条1項は、遅延利息における約定の最高限度を、元本に対する割合について、同法第1条に規定する率の1.46倍を超えてはならないと定めている。[竹内俊雄]

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世界大百科事典内の遅延利息の言及

【消費貸借】より

… 利息制限法は利息の最高限を定め,その超過部分を無効とした(1条1項)。なお金銭の消費貸借では,利息とは弁済期までの,ちょうど賃貸借における賃料に相当するものをさすが,弁済期後も返済が遅れる場合の遅延損害金(遅延利息ともいっている)も,利息の計算と同じように約定の利率で計算することが多く(この約定を〈賠償額の予定〉と呼んでいる),これについても利息についての制限と同じように規制を加える必要がある。そこで利息制限法は一項一項に定める額の2倍を遅延損害金についての限度とし,これを超える部分を無効とした(4条1項。…

【利息】より

…したがって,元本の償却金,分割払いの分割金,株式の配当金なども利息ではない。遅延利息は,利息という名称が用いられているが,それは本来金銭貸借上の債務不履行による一種の損害賠償たる性質を有するものである。その賠償額が利率と期間とによって算定され,利息に類似することから遅延利息とか遅延損害金と呼んでいる。…

※「遅延利息」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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