中川運河(読み)なかがわうんが

共同通信ニュース用語解説 「中川運河」の解説

中川運河

名古屋港と、名古屋駅近くにあった旧国鉄笹島貨物駅を結ぶため、もともとあった川を掘削して1932年に全線開通した。横堀を含めた総延長は約10キロで、両岸には工場倉庫が並んだ。利用最盛期は50~60年代で、年間の貨物量は400万トンを超えた。主な輸送手段がトラックに変わり、徐々に利用が減少。現在の運航船舶数と貨物量は最盛期の1%台にとどまる。一時は埋め立ても議論された。

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改訂新版 世界大百科事典 「中川運河」の意味・わかりやすい解説

中川運河 (なかがわうんが)

名古屋市中川区,港区の東部を南北に走る運河で,名古屋港と名古屋笹島貨物駅を結ぶ。明治中期に,西区名塚に源を発し,押切,則武,牧野,露橋などの町を南流する旧中川(笈瀬(おいせ)川)の悪水排除と水運発達を目的とする運河開削計画が企画された。これに基づいて1926年に起工され,32年に完成した。総延長8200m,幅員36~91m,水深1.2~3m。潮位に関係なく一定の水深を保つ閘門(こうもん)式水路になっており,堀川に通ずる松重閘門は市の文化財に指定されている。船溜(ふなだまり)は北端の堀止,南端の中川口松重の3ヵ所にある。沿岸には製材その他の木材工場や金属・機械の中小工場が帯状に分布し,運河はこの地域の商工業発展に大きく寄与してきた。70年代には都市下水と工場廃水による汚染が著しく悪臭の漂う水路であったが,80年代に入って浄化が進んだ。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中川運河」の意味・わかりやすい解説

中川運河
なかがわうんが

愛知県名古屋市中南部、名古屋港と名古屋駅を結ぶ市内最大の運河。延長10.3キロメートル、幅36~91メートル、水深1~3メートル、旧中川を閘門(こうもん)式運河として開削した。1926年(大正15)着工、1930年(昭和5)10月に完成、工費は1886万円であった。閘門は中川口、松重(まつしげ)の2か所、船溜(だま)りは堀止、中川口、松重の3か所に設けられた。運河沿いには木材工場をはじめ金属、機械などの中小工場や倉庫がつくられ帯状に並んでいる。

 旧中川は、中流を笈瀬(おいせ)川、熱田新田(あつたしんでん)東組から河口までを中川といった。笈瀬川は、悪水排水路に使われ、笈瀬川悪水井組、笈瀬川新堀割井組があった。

[伊藤郷平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中川運河」の意味・わかりやすい解説

中川運河
なかがわうんが

名古屋市中央部をほぼ南北に走る運河。幅 36~90m,延長 7.1km。 1926年着工,30年に完成。笹島貨物駅付近から名古屋港にいたる。市の中心部と港を結ぶため利用度が高く,沿岸には工場,倉庫が密集している。

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