動物細胞の分裂期において、分裂装置(星状体と紡錘体よりなる)の形成中心となる顆粒(かりゅう)状構造体をいう。有糸分裂に重要な働きをするので、有糸分裂中心、分裂中心などともよばれる。その構造は中央部に一対の中心子(中心小体、中心粒)centrioleと、それを取り囲む顆粒状または繊維状の中心子外周物質pericentriolar materialからなる。中心子は、直径約200ミリミクロン、長さ約700ミリミクロンの円筒状を呈する。その構造は、9本の3連微小管が筒状に並んだもので、その円筒状構造の先端部と基部にはそれぞれ特殊な構造がみられる。哺乳(ほにゅう)動物の培養細胞で、細胞サイクルの間期の状態では、中心体は核に接している。細胞がS期に入ると、中心体の自己複製が始まる。中心体内の2個の中心子はそれぞれの基部近くに娘(じょう)中心子をつくる。S期の後期では、その一対ずつが分離して移動を始め、核の両側に位置するようになる。有糸分裂前期になると、微小管の形成が中心子外周物質を核として始まり、二つの星状体が成長する。やがて核膜が消失すると、星状体の間に紡錘体が形成される。また、繊毛や鞭毛(べんもう)の基部にある基底小体も微細構造は中心子と同じで、同じく中心子ともよばれる。なお、植物細胞には、コケ、シダ、ソテツなどの特殊な例を除いて中心子はみられないが、核内での微小管形成中心の働きで紡錘体が形成される。
[酒井彦一]
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