紡錘体(読み)ボウスイタイ

精選版 日本国語大辞典 「紡錘体」の意味・読み・例文・類語

ぼうすい‐たいバウスイ‥【紡錘体】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 紡錘の形をした立体。
    1. [初出の実例]「四十九箇の紡錘体の始末に困ったが」(出典:簑虫と蜘蛛(1921)〈寺田寅彦〉)
  3. 細胞が有糸分裂をする一時期に出現する分裂装置。分裂前期の終わりに出現し、塩基性蛋白質を中心に、核酸多糖類を含む。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紡錘体」の意味・わかりやすい解説

紡錘体
ぼうすいたい
spindle; spindle body

細胞の有糸分裂における前期の終りから中期にかけて,核の原形質が分裂の軸の方向に長く集り紡錘形を呈するもの。その際核質の染色質はいわゆる染色体となり,非染色質がこの紡錘体を満たしている。紡錘体は,多くの細糸円錐を2つ合せた形に並んでつくられているが,これらの糸を紡錘糸といい,染色体の動原体と極 (円錐の頂点) を結ぶ糸を動原体糸といい,ともにチュービュリンを成分とするミクロチューブルあるいはその束である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android