デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村喜代三郎」の解説
中村喜代三郎(初代) なかむら-きよさぶろう
享保(きょうほう)6年生まれ。初代中村新五郎の門弟。享保(きょうほう)19年喜代三郎を喜世三郎にあらため,20年喜代三郎にもどした。延享元年京都都(みやこ)万太夫座の座本となる。江戸,京坂で活躍し,若女方を得意とした。安永6年6月18日死去。57歳。俳名は文次,花暁。屋号は伊勢屋(いせや)。
中村喜代三郎(2代) なかむら-きよさぶろう
初代中村喜代三郎の子(または養子)。安永7年(1778)大坂で2代喜代三郎を襲名。若女方をつとめ,9年江戸森田座に出演。のち大坂にかえり俏方(やつしがた)に転じた。前名は中村松兵衛(3代)。通称は喜代三。俳名は花暁。屋号は伊勢屋。
中村喜代三郎(5代) なかむら-きよさぶろう
初代片岡市蔵の門弟となり,のち中村宗十郎の門にはいる。明治8年大阪中座で喜代三(2代)を襲名。二枚目女方として京坂の舞台をつとめた。本名は高岡銀杏丸。初名は片岡いてふ。前名は片岡芦雀,片岡銀杏丸。
中村喜代三郎(3代) なかむら-きよさぶろう
2代中村喜代三郎の養子となり,寛政11年(1799)3代を襲名。京都・大坂の宮地芝居や旅芝居に出演する。文化5年大坂の竹田芝居で若女方をつとめた。初名は中村喜代蔵。別名に竹田喜代三。俳名は花暁。
中村喜代三郎(4代) なかむら-きよさぶろう
13代中村勘三郎の門弟。明治8年東京守田座で4代喜代三郎を襲名。どの若女方役も評判がよく,重宝役者といわれた。明治10年10月19日死去。前名は中村いてふ。通称は喜代三。