中村重助(2代)(読み)なかむら・じゅうすけ

朝日日本歴史人物事典 「中村重助(2代)」の解説

中村重助(2代)

没年:享和3.9.20(1803.11.4)
生年寛延2(1749)
江戸中期の歌舞伎狂言作者。俳名故一,鶴子。狂名歌舞妓工。3代目中村七三郎の子ともいう。明和1(1764)年から作者としてその名がみえ,同5年立作者となる。以後,寛政6(1794)年まで江戸三座に勤め,「恵方曾我年々暦」「江戸花三升曾我」などを執筆したようだが,伝存する作品はほとんどない。彼の著書とされる『芝居乗合話』(1800)は,芝居故実や年中行事をまとめたもので,当時の興行の様子をうかがうことができる好史料である。なお,寛政8年に写楽風の役者大首絵を発表した浮世絵師歌舞妓堂艶鏡と同一人物だともいわれている。<参考文献>『役者全書』(『日本庶民文化史料集成』6巻)

(加藤敦子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村重助(2代)」の解説

中村重助(2代) なかむら-じゅうすけ

1749-1803 江戸時代中期-後期の歌舞伎作者。
寛延2年生まれ。初代中村重助の養子。明和5年江戸森田座で立作者(たてさくしゃ)となる。浮世絵師歌舞伎堂艶鏡(えんきょう)と同一人物といわれる。享和3年9月20日死去。55歳。江戸出身。俳名は故一,鶴子。作品に「夫婦酒替ぬ中仲(みょうとざけかわらぬなかなか)」など,随筆に「芝居乗合話」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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