丸岡明(読み)マルオカ アキラ

20世紀日本人名事典 「丸岡明」の解説

丸岡 明
マルオカ アキラ

昭和期の小説家,能楽評論家



生年
明治40(1907)年6月29日

没年
昭和43(1968)年8月24日

出生地
東京

学歴〔年〕
慶応義塾大学文学部仏文科〔昭和9年〕卒

主な受賞名〔年〕
芸術騎士勲章(フランス)〔昭和37年〕,芸術選奨文部大臣賞(第16回・昭和40年度)「静かな影絵

経歴
早くから文学を志し、昭和5年「マダム・マルタンの涙」を発表。「新科学的文芸」同人となり、以後「無限動力機」「生きものの記録」「悲劇喜劇」などを発表。この間「柘榴の芽」「或る生涯」などを刊行戦後は「三田文学」の編集にたずさわり「妖精供養」や「コンスタンチア物語」などを刊行。27年ニースの国際ペン・クラブ大会に出席。その一方で能楽評論家としても活躍、「現代謡曲全集」「観世流声の百番集」などを編集した。29、32、40年には東京能楽団を組織してヨーロッパ、アメリカで公演する。その他の作品に「静かな影絵」「赤いベレー帽」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「丸岡明」の意味・わかりやすい解説

丸岡明
まるおかあきら
(1907―1968)

小説家。東京に生まれる。慶応義塾大学仏文科卒業。1930年(昭和5)水上(みなかみ)滝太郎の推薦で『三田(みた)文学』に処女作『マダム・マルタンの涙』を発表、好評を得る。35年最初の長編『生きものの記録』を発表、心理主義的手法で、当時のブルジョアジー内面退廃を描いた。戦後は『三田文学』の編集に携わる。53年(昭和28)ごろから、能に関するエッセイや解説書などをしきりに書く。ほかに『コンスタンチア物語』(1949)、原民喜(たみき)をモデルにした『贋(にせ)きりすと』(1951)、芸術選奨文部大臣賞を受けた『静かな影絵』(1965)などがある。作品は身辺に取材したものが多く、都会的な細やかな感性を描いている点に特色がある。

中石 孝]

『『丸岡明小説全集』全三巻(1969・新潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「丸岡明」の解説

丸岡明 まるおか-あきら

1907-1968 昭和時代の小説家。
明治40年6月29日生まれ。丸岡桂(かつら)の長男。昭和5年「三田文学」に「マダム・マルタンの涙」を発表。戦後「三田文学」復刊につくす。能楽の普及と外国への紹介にもつとめた。昭和43年8月24日死去。61歳。東京出身。慶大卒。著作に「生きものの記録」,「静かな影絵」(41年芸術選奨)など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「丸岡明」の解説

丸岡 明 (まるおか あきら)

生年月日:1907年6月29日
昭和時代の小説家;能楽評論家
1968年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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