丼池筋(読み)どぶいけすじ

日本歴史地名大系 「丼池筋」の解説

丼池筋
どぶいけすじ

栴檀木せんだんのき筋の一筋西の筋。明暦元年(一六五五)大坂三郷町絵図には「さいや丁すし」、元禄一〇年(一六九七)の「摂州難波丸」には「斎藤町筋」、一方、寛文期(一六六一―七三)貼札をもつ大坂町中並村々絵図には「どぶいけすし」、延享版「難波丸綱目」には「大溝筋、どぶいけ筋と云」とあって史料によって名称が異なる。当筋の塩町しおまち通南(現南区)難波なにわ薬師堂跡があり、そこにかつて蘆間あしまの池があって、この池から丼池の名が生じたと伝える(摂津名所図会大成)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「丼池筋」の意味・わかりやすい解説

丼池筋
どぶいけすじ

大阪市中央区、船場(せんば)の繊維問屋街。三休橋(さんきゅうばし)筋と心斎橋筋の間の細長い南北の地域。地名は、付近に芦間(あしま)の池というどぶ池があったからである。第二次世界大戦前の高級家具商が空襲で全焼し、戦後本町(ほんまち)の繊維問屋街が延長し、小売りも手がける繊維の現金問屋が密集して全国にその名を知られた。スーパーマーケット方式や週休制などを採用し、伝統と革新を備えた大阪商人の心意気を示した。

安井 司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「丼池筋」の意味・わかりやすい解説

丼池筋
どぶいけすじ

大阪市中央区西部を南北に通じる街路。心斎橋筋の東側の街路で,大阪の商業中枢地である船場を貫く。かつては高級家具問屋街として知られたが,第2次世界大戦後,繊維類に転換,現金取引の卸小売で繁栄し,大阪の代表的な繊維問屋街として有名となった。船場の都市再開発計画に伴い,現在は一部が船場センタービルに移転し,変容している。

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