精選版 日本国語大辞典 「乍がら」の意味・読み・例文・類語
な‐がら【乍がら】
※延喜式(927)祝詞「教へ悟し給ひ那我良(ナガラ)船居作りたまへれば」
※万葉(8C後)一八・四一三〇「針袋帯び続け奈我良(ナガラ)里ごとに照らさひあるけど人も咎めず」
※竹取(9C末‐10C初)「旅の御姿ながらおはしたり」
③ 動詞の連用形を受け、二つの動作が並び行なわれることを表わす。つつ。動詞を省略した「涙ながら」のような言い方もある。→なみだながら。
※万葉(8C後)一九・四一五四「憤る 心の内を 思ひ延べ 嬉しび奈我良(ナガラ)枕付く つま屋の内に」
※徒然草(1331頃)六〇「食ひながら文をも読みけり」
④ 体言・形容詞語幹・活用語の連用形、まれに活用語の連体形を受け、「にもかかわらず」「ものの」「けれども」の意を表わす。
※伊勢物語(10C前)八四「身は賤しながら母なむ宮なりける」
⑤ (②の意から。数詞や副詞「さ」を受けて) 「すべて」「…とも」の意を表わす。
※徒然草(1331頃)五九「心にかからん事の本意を遂げずして、さながら捨つべきなり」
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