九族(読み)キュウゾク

デジタル大辞泉 「九族」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐ぞく〔キウ‐〕【九族】

自分中心に、先祖・子孫の各4代を含めた9代の親族。高祖父母そう祖父母・祖父母・父母・自分・子・孫・曽孫玄孫一説に、父方の四、母方の三、妻方の二の九つの親族をいう。

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精選版 日本国語大辞典 「九族」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐ぞくキウ‥【九族】

  1. 〘 名詞 〙 九つの親族。父方の親族四、母方の親族三、妻方の親族二からなり、その内容には諸説がある。また一説に、異姓を含まないで直系の高祖父から玄孫にいたる九代の親族ともいう。
    1. [初出の実例]「夫先秩九族、事彰常典」(出典続日本紀‐延暦九年(790)一二月壬辰)
    2. 「いにしへは槐門棘路のあひだに九族をなびかし」(出典:平家物語(13C前)一一)
    3. [その他の文献]〔書経‐堯典〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「九族」の意味・わかりやすい解説

九族
きゅうぞく

九つの親族。数説があって一定しないが、一般には、『書経』「堯典(ぎょうてん)」に、「克(よ)く俊徳を明らかにして、以(もっ)て九族を親しむ」とあり、「蔡(さい)伝」に、「九族は高祖より玄孫に至るの親」とあるように、同姓直系の者だけを数え、高祖、曽祖(そうそ)、祖父、父、自分、子、孫、曽孫、玄孫の9代をいう。しかし、傍系をも含んで一族に近い意味に用いられることもあり、異姓を含み数えて、父族4、母族3、妻族2の総称とすることもある。仏教出家功徳(くどく)を説いた諺(ことわざ)「一人(一子とも)出家すれば九族天に生まる」で知られ、川柳(せんりゅう)にも「坊主落九族天を追ひ出され」といううがった句がある。

[宇田敏彦]

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普及版 字通 「九族」の読み・字形・画数・意味

【九族】きゆうぞく

九親

字通「九」の項目を見る

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