乱数表とは、ひと口にいえば0から9までの数字をでたらめに並べた表のことである。しかしその作り方はそう簡単ではない。たとえば、0から9までの数字を記入したカードを1枚ずつ全部で10枚用意し、そのなかから無作為に抽出した1枚のカードに記入されている数字n1を記録し、次にそのカードを元に戻してもう一度1枚のカードを無作為に抽出し、その数字n2を記録し、この操作を繰り返して得られる数字をn1n2n3……と並べたものが乱数表である。また正二十面体の各面に0から9までの数字を2個ずつ書き入れておき、この正二十面体を振って出た数字を書き並べて乱数表をつくることができる。いずれにしても、つくられた表について各数字が均等に現れているか、一定の数字の間隔の分布が理論的に計算されたものに近いかどうかなど、いくつかの無作為性の検定を行い、それに合格したものが乱数表となる。
確率の問題では、カードやさいころなどを用いるものがあるが、これらについて実験をする場合には、カードやさいころをそのまま使用するより乱数表を利用するほうが簡単である。
乱数表は無作為抽出を行う場合に利用される。いま85人のうちから10人を無作為に選んでみよう。次のような乱数表があるとする。
6711094896299453844167419015236254490206………………
85人のおのおのに01から85までの番号をつける。次にこの乱数表で2数字ずつにくぎって00から99までの100個の数字が無作為に並んでいるものとみて、左から右へ進み、00と86以上の数および同じ数が出たときは2回目からは捨てることにする。こうして
67,11,09,48,29,53,84,41,15,23
の番号のついた10人を選び出すことができる。
なお、多量の乱数を必要とすることが多いので、計算機に乱数発生ルーチンが用意されている。ただし、これは厳密にいえば擬似乱数というべきものである。
[古屋 茂]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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