了賢寺(読み)りようけんじ

日本歴史地名大系 「了賢寺」の解説

了賢寺
りようけんじ

[現在地名]海南市冷水

飯盛山と号し、浄土真宗本願寺派本尊阿弥陀如来鷺森さぎのもり御坊(現和歌山市鷺森別院)前身で、もとは清水しみず御坊と称した。鷺森旧事記(鷺森別院蔵)によると、文明八年(一四七六)春に本願寺八世蓮如熊野に詣で、その帰途に清水(冷水)の喜六大夫(了賢)を勧化したのが清水道場の開基で、またこれが鷺森御坊濫觴とされる。しかし蓮如が文明八年に紀伊下向した形跡はなく、蓮如および家族や門弟たちの記録にみえないので、伝説の域を出ないというのが定説である。また同年の紀州来訪が伝説であるにしても、親鸞・蓮如の連座像である二尊像(鷺森別院蔵)を同年一〇月に蓮如が清水の了賢に下付したのは歴史的事実とされてきたが、近年この点も疑問視されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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