事行(読み)じこう

大辞林 第三版の解説

じこう【事行】

フィヒテ知識学の根本概念。経験的世界を成立せしめる自我の根源的活動で、主観と客観とが区別されない。

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精選版 日本国語大辞典の解説

こと‐ゆ・く【事行】

〘自カ四〙
① ことが滞りなく進行する。物事がうまくいく。ことがととのう。折合がつく。らちがあく。
源氏(1001‐14頃)絵合「筆の行くかぎりありて、心よりはことゆかずなむ、思ふ給へられしを」
② 訳がわかる。納得がゆく。
※竹取(9C末‐10C初)「かくつきなき事を仰せ給ふ事と、ことゆかぬ物ゆゑ、大納言をそしりあひたり」
[補注]②の「竹取物語」の例は、一説に①の意とする。

じ‐ぎょう ‥ギャウ【事行】

〘名〙
① 平安時代以降、禁中の守衛に当たった滝口の武士の地位の名称。一臈(ろう)・二臈・三臈を上臈といい、それに次ぐ四臈をいう。
※職原鈔(1340)下「滝口〈略〉四臈号事行有官滝口永仁被始置一レ之」
② 具体的な行為として外に表わされたもの。たとえば口称の題目。
※日蓮遺文‐観心本尊抄(1273)「論理具事行南無妙法蓮華経五字並本門本尊未広行一レ之」 〔礼記‐楽記〕

じ‐こう ‥カウ【事行】

〘名〙 (Tathandlung の訳語) ドイツの哲学者、フィヒテの用語。自我の存在は、自己自身を定立するはたらきそのものに他ならない。この自己定立という行為があらゆる事実存在の根底にあって、そこでは行ないとなされた事とが一つになっている、というもの。

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世界大百科事典内の事行の言及

【滝口】より

…五位,六位の武勇ある侍のなかから,ことに弓術に秀でた者を補し,宮中の警衛にあたるほか,天皇の乗船に供奉し,また諸種の雑役にあたった。20名のうち勤務年数の長い者から一﨟(ろう),二﨟,三﨟の3人を上﨟(じようろう)といい,四﨟を事行(じぎよう)といった。上﨟は10日,四﨟以下は5日の勤務であった。…

【ドイツ観念論】より

…意識の中には事実よりも根源的なものがある。すなわち,事行Tathandlungである〉。実践的・能動的な自我に事実以上の根源性を見いだすことからフィヒテは出発した。…

※「事行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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