精選版 日本国語大辞典 「五重」の意味・読み・例文・類語
ご‐じゅう ‥ヂュウ【五重】
〘名〙
① 五つのかさなり。五つの層。また、いくえものかさなり。
② 五重の塔の最上階部。第五重。
③ (「五逆重罪(ごぎゃくじゅうざい)」の略) =ごぎゃくざい(五逆罪)
④ 「ごじゅうそうでん(五重相伝)」の略。
※雑俳・神子の臍(1710)「狸にも五重さづけた和尚にて」
⑤ =ごしょう(五障)①
いつ‐え ‥へ【五重】
〘名〙
※紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一一日「唯えならぬ三重五えの袿に」
② 五枚重ね着したように見えるふうに、袖口(そでぐち)、褄(つま)の表裏に中陪(なかべ)三枚を加えて重ね縫いしたもの。一説に、地紋の上に五色の糸で模様を織り出したものという。五重の御衣(おんぞ)、五重の唐衣(からぎぬ)、五重の衣(きぬ)など。
※紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一六日「表着(うはぎ)は菊の五え」
③ =いつえ(五重)の扇
※枕(10C終)八九「いつへはあまり厚くなりてもとなどにくげなり」
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