五雑俎(読み)ゴザッソ

デジタル大辞泉 「五雑俎」の意味・読み・例文・類語

ござっそ【五雑俎/五雑組】

中国、明末の随筆。16巻。謝肇淛しゃちょうせい著。1619年成立。明代の政治経済文化科学などを、天・地・人・事・物の5類に分けて考証したもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「五雑俎」の意味・読み・例文・類語

ござっそ【五雑俎・五雑組】

  1. 中国、明代の随筆。一六巻。謝肇淛(しゃちょうせい)撰。万暦四七年(一六一九)成立。天、地、人、物、事の五類に分け、明代の政治、経済、社会、文化、自然科学など各方面資料をまじえて考証し、是非を論じたもの。「五雑組」が正しいが「五雑俎」を慣用とする。江戸時代に広く読まれた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「五雑俎」の意味・わかりやすい解説

五雑俎
ござっそ

中国、明(みん)代の随筆集。謝肇淛(しゃちょうせい)(生没年不詳)著。16巻。全体を、天、地、人、物、事の5部に分け、自然現象人事のきわめて広い範囲にわたって、著者見聞意見を項目別にまとめたもの。そのころ流行した短編の随筆である「小品(しょうひん)」に近いスタイルで、全体として文人趣味的な域を出ないが、陰陽、風水といった迷信思想を否定する、合理的傾向をもった独特の観察眼は、当時の社会の矛盾を鋭くえぐり出している面もあり、明代の政治、社会、文化についての貴重な資料になっている。江戸時代の和刻本も多いが、1959年、北京(ペキン)の中華書局から2冊の活字本が出版された。

[今西凱夫]

『長沢規矩也解題『和刻本漢籍随筆集1』(1972・汲古書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五雑俎」の意味・わかりやすい解説

五雑俎
ござっそ
Wu-za-zu

中国,明の随筆。謝肇せい (しゃちょうせい) の著。 16巻。全体を天,地,人,物,事の5部に分け,広く自然現象,社会現象の全般にわたって,その見聞,意見を記したもの。その観点は合理的な傾向をもち,当時の社会の矛盾を鋭く描く部分もあり,貴重な資料となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android