中国、明(みん)代の随筆集。謝肇淛(しゃちょうせい)(生没年不詳)著。16巻。全体を、天、地、人、物、事の5部に分け、自然現象、人事のきわめて広い範囲にわたって、著者の見聞や意見を項目別にまとめたもの。そのころ流行した短編の随筆である「小品(しょうひん)」に近いスタイルで、全体として文人趣味的な域を出ないが、陰陽、風水といった迷信思想を否定する、合理的傾向をもった独特の観察眼は、当時の社会の矛盾を鋭くえぐり出している面もあり、明代の政治、社会、文化についての貴重な資料になっている。江戸時代の和刻本も多いが、1959年、北京(ペキン)の中華書局から2冊の活字本が出版された。
[今西凱夫]
『長沢規矩也解題『和刻本漢籍随筆集1』(1972・汲古書院)』
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