日本大百科全書(ニッポニカ) 「亜寒帯多雨気候」の意味・わかりやすい解説
亜寒帯多雨気候
あかんたいたうきこう
亜寒帯の気候区分の一つ。年間を通じ平均して降水がある。冷帯多雨気候、冷帯湿潤気候、亜寒帯湿潤気候ともいう。亜寒帯気候を降水の季節配分から細区分すると、主として夏により多くの降水がある亜寒帯夏雨気候と、年降水量がそれよりやや多く、とくに冬の降雪量が多くなる亜寒帯多雨気候になる。亜寒帯多雨気候はシベリア西半部、東ヨーロッパ、スカンジナビア、ロシア連邦の沿海州、カムチャツカ半島、北アメリカ大陸北部の五大湖地方からカナダの大部分、アラスカなどに分布している。日本では北海道や東北地方の山岳部がこの気候区に属している。年降水量はシベリアで400ミリメートル前後、カナダやアラスカで500ミリメートル前後、東ヨーロッパや北欧、五大湖地方で500~1000ミリメートルである。小麦、ジャガイモがおもな作物であるが、かなりの部分が針葉樹林に覆われている。
[山下脩二]