コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

人事院勧告 じんじいんかんこく

8件 の用語解説(人事院勧告の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人事院勧告
じんじいんかんこく

人事院が人事行政などに関し,関係行政機関,国会,内閣に対して勧告することをいう。人事院は,国家公務員の人事などに関する行政を掌握する行政機関であるが,(1) 人事行政の改善に関して関係大臣に勧告する権限,(2) 国家公務員法の目的を達成するために,法令の制定,改廃に関する意見提出,および (3) 国家公務員の給与などの変更に関する国会ならびに内閣に勧告する権限 (国家公務員法 22,23,28) が認められており,人事行政の最高機関とみなされている。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

人事院勧告

人事院が国家公務員の給与や待遇の改善を政府に求める制度。毎年8月ごろに行われる。国家公務員は労使交渉で賃金や待遇を決める協約締結権を認められていないため、中立の第三者機関である人事院が民間給与を調べて判断する。給与据え置きなど法改正の必要がない場合は、勧告をせずに報告となる。

(2013-08-09 朝日新聞 朝刊 4総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

じんじいん‐かんこく〔ジンジヰンクワンコク〕【人事院勧告】

人事院国家公務員の給与・勤務条件などの待遇の改善について、国会および内閣に勧告すること。また、その勧告。人勧。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

人事院勧告【じんじいんかんこく】

人事院は広範な勧告の権限をもつが,国家公務員の給与に関する勧告が特に重要であり,これは公務員の争議権剥奪(はくだつ)の代償的制度の意味をもつ。人事院は国会と内閣に毎年1回以上俸給表が適当か否かについて報告するとともに,物価・民間給与などの変化により給与を5%以上増減する必要を認めるときは適当な勧告をしなければならない。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

人材マネジメント用語集の解説

人事院勧告

・人事院が毎年行う国会および内閣に行う、国家公務員の労働条件改善への勧告を言う。
・毎年、民間企業の賃金水準の調査等を行い、その調査結果より、国家公務員の給与、賞与、諸手当、諸労働条件(労働時間短縮、定年後の再任用制度等)の変更について差を埋めるよう国会および内閣に対して行う勧告を行う。
・国家公務員は、通常の民間企業の従業員が認められている団体交渉権が制約されているため、その代償処置として人事院が置かれている。

出典|(株)アクティブアンドカンパニー
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

じんじいんかんこく【人事院勧告】

1948年改正の国家公務員法にもとづいて設置された人事院は,人事行政の改善や,関係法令の制定改廃に関して,国会および内閣に勧告ないし意見の申出をする権限を有する。とくに職員の給与等の勤務条件に関しては,職員の団体交渉権および争議権が否認されているため,その代償措置として,必要に応じて改訂を勧告(人事院勧告)する権限を有している。とくに給与に関しては,人事院は俸給表が適当であるかどうかについて少なくとも毎年1回,国会および内閣に対して報告しなければならないこととされている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

じんじいんかんこく【人事院勧告】

公務員の給与・勤務条件などが、社会一般の情勢に適応するように、国会および内閣に対して人事院が行う報告と勧告。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

人事院勧告
じんじいんかんこく

人事院が、国会、内閣、関係大臣その他の機関の長に対して行う、国家公務員の一般職職員の「給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告」(国家公務員法3条2項)の総称。人勧と略称される。
 勧告とは行政機関が他の政府機関に参考意見を提出することで、相手側への法的な拘束力はないが、勧告する機関の専門的地位と勧告の権威によって、実際上、一定の影響力をもつ。とりわけ人勧は公務員の労働基本権制限の代償措置とみなされているため、影響力は強い。人勧は(1)人事行政改善の勧告(国家公務員法22条)、(2)法令の制定改廃に関する意見の申し出(23条)、(3)給与、勤務時間その他勤務条件の変更に関する勧告(28条)の3種類に大別できる。[寺田 博]

給与勧告

日本国憲法は、内閣が「法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること」(73条4号、勤務条件法定主義)を定めている。これを受けて国家公務員法は、国家公務員の給与、勤務時間等の勤務条件は「国会により社会一般の情勢に適応するように、随時これを変更することができる」(28条1項、情勢適応の原則)、「その変更に関しては、人事院においてこれを勧告することを怠つてはならない」(同条)と規定する。
 人事院勧告のうちでとくに重要なのがこの給与勧告である。一般には単に人勧という場合、給与勧告をさすことが多い。給与勧告について、国家公務員法は、「人事院は毎年、少くとも1回、俸給表が適当であるかどうかについて国会及び内閣に同時に報告しなければならない。給与を決定する諸条件の変化により、俸給表に定める給与を100分の5以上増減する必要が生じたと認められるときは、人事院は、その報告にあわせて、国会及び内閣に適当な勧告をしなければならない」と規定している(28条2項)。
 通常、毎年8月上旬になされる給与勧告は、「一般職の職員の給与に関する法律」(給与法)の適用を受ける非現業の一般職国家公務員を直接の対象とする。また国会職員、裁判所職員、自衛官などの特別職国家公務員と地方公務員、さらには特定独立行政法人・独立行政法人などの職員、学校・病院職員などの多くも給与勧告に準じて給与が決められており、民間労働者の賃金などへの跳ね返りを含めると、日本の賃金の標準を決定する役割をもつ。高度経済成長期にあっては、春闘相場の設定自体に大きな影響を及ぼすこともあった。[寺田 博]

勤務時間、休日および休暇に関する勧告

「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」は、人事院は「職員の適正な勤務条件を確保するため、勤務時間、休日及び休暇に関する制度について必要な調査研究を行い、その結果を国会及び内閣に同時に報告するとともに、必要に応じ、適当と認める改定を勧告すること」を定めている(2条1号)。給与勧告と同様に民間準拠原則を採用しているほか、「行政サービスの維持」や「仕事と生活の調和」といった観点から決定される。
 休日については、1979年(昭和54)に週休2日制が勧告され、1981年から4週5休制が、1987年に4週6休制が勧告された。これにより1989年(平成1)1月には土曜閉庁による4週6休制が本格実施され、日本の週休制度も大きく前進した。その後1991年に、完全週休2日制を「1992年度中のできるだけ早い時期に実施すべき」との勧告が行われ、国家公務員の完全週休2日制が1992年5月から実施された。2008年(平成20)には、給与勧告と同時に、職員の勤務時間を1日7時間45分、1週38時間45分に引き下げる内容の「職員の勤務時間の改定に関する勧告」が行われている。[寺田 博]

公務員の労働基本権制約と代償措置

1948年(昭和23)7月31日の政令二〇一号により国家公務員法が改正され、国家公務員は争議行為が一律全面的に禁止され(98条)、団体交渉権も制限され、非現業職員は労働協約締結権も認められないなど、労働基本権は大きく制限された。こうした労働基本権制限に対する代償措置として人勧制度は設けられた。国家公務員の勤務条件を社会一般の情勢に適応し、給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させるよう、随時変更する機能が人勧に担われたのである。
 しかし、勧告にはなんらの拘束力もないことから、勧告を受けた内閣および国会により、1948年の第1回給与勧告から1960年代の末まで、内容および実施時期の面で完全に実施されることはなかった。これに対し、公務員労働者は人勧の完全実施を求めストライキに訴えることになる。それはやがてスト権・労働基本権回復要求運動に発展し、人勧制度が公務員の争議権剥奪(はくだつ)、労働基本権制約の代償措置たりうるかが裁判で争われることとなった。最高裁は、全農林警職法事件(1973年4月25日判決)で人勧制度は労働基本権制限の代償として「適切」と判断、さらに、全農林人勧スト事件(2000年3月17日判決)では、勧告が完全に凍結された場合であっても「代償措置が本来の機能を失っていたということはできない」と判示した。
 他方、臨時行政調査会は1982年、「行政改革に関する第三次答申」で代償措置としての人事院勧告について「維持され、尊重される」べきであるとする「基本的考え方」を示した。しかし、2000年(平成12)には与党(自由民主党)の行財政改革推進協議会が公務員にスト権を認めることと引き換えに人事院勧告制度そのものの改廃を検討し始め、民主党への政権交代後の2012年、国会に提案された公務員制度改革関連法案は、労働基本権制約の代償制度としての人事院を廃止するとしている。こうして、戦後公務員制度を支えてきた人勧制度が終焉(しゅうえん)を迎えようとしている。[寺田 博]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の人事院勧告の言及

【労働運動】より

…こうした春闘相場の形成とその上昇は,労働組合の統一行動の成果であることは疑いないが,1950年代末以来本格化した高度経済成長にともなう労働力不足の激化と協調的寡占の進展に助けられた面が強いことも否定しがたい。さらに,64年春闘での池田・太田会談を通じて,公共企業体の賃上げは民間に準拠して行うという政府・労働組合の合意が成立した結果,民間重工業の基軸企業群での賃上額→中央労働委員会(私鉄)・公共企業体等労働委員会の仲裁裁定→人事院勧告というチャンネルを通じて春闘相場が社会的に波及していく機構が定着していった。(2)1960年代半ばには,春闘の拡大にもかかわらず総評の地盤沈下が進み,民間大企業を基盤とした新しい潮流が台頭してきた。…

※「人事院勧告」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

人事院勧告の関連キーワード教育公務員国家公務員法国家公務員倫理規程国家公務員倫理法政治的行為二種試験国家公務員の政治活動公務員の政治的行為国家公務員法の守秘義務違反国家公務員法改正

今日のキーワード

日本政策投資銀行

1999年に日本開発銀行と北海道東北開発公庫を統合し、発足した政府系総合政策金融機関。一般の金融機関が行なう金融などを補完・奨励し、長期資金の供給などを行ない、日本の経済社会政策に金融上で寄与していく...

続きを読む

コトバンク for iPhone

人事院勧告の関連情報