人宿(読み)ひとやど

精選版 日本国語大辞典「人宿」の解説

ひと‐やど【人宿】

〘名〙
① 人を宿泊させる所。はたごや。宿屋。旅宿。
浮世草子・日本永代蔵(1688)二「草津の人宿(ヤド)にて年を取」
② 雇人などの周旋をする家。口入宿。ひとおき。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)五「彼人宿のでいしゅになって」

ひと‐やどり【人宿】

〘名〙 人の泊る所。宿泊所。
※貞享版沙石集(1283)四「山の西坂本の人宿りの地蔵堂の柱に」

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世界大百科事典 第2版「人宿」の解説

ひとやど【人宿】

江戸時代,男女奉公人の周旋を業としたもの。町奉行所などの記録や法令では人宿とあるが,一般には,けいあん,口入,口入人などとよばれていた。人宿の語の初見は1640年(寛永17)であるが,より以前から使用されていたと思われる。江戸では若党徒士(かち),中間ちゆうげん)などの武家奉公人を多数必要とし,人宿を仲介とする雇用先の大半武家方であった。人宿は奉公人の身元保証人(請人)となって判賃(判銭)を取り,また奉公先を周旋して契約が成立すると周旋料(口入料,口銭)をうけた。

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世界大百科事典内の人宿の言及

【周旋屋】より

…また,より広く土地,建物などの売買の周旋をする業者も含めることができる。雇人の周旋業者は桂庵(けいあん),口入れ屋と通称されたほか,人宿(ひとやど),請宿(うけやど),人置(ひとおき),肝煎(きもいり)屋などとも呼んだ。近世初期以降,都市の発展にともなって出現したもので,とくに江戸に流入する多数の出稼ぎ奉公人に対し,その身元保証,雇入先の斡旋,そして,就職先がきまるまでの宿泊を行う必要があったことから必然的に発生したものと思われる。…

【奉公人】より

… 武家奉公は中世の末期まで譜代奉公をもって本来の姿とした。しかし,近世に入るとそれは漸次人宿(ひとやど)(口入屋(くちいれや),桂庵(けいあん)),日用座(ひようざ)を通じて雇用される百姓,町人による給金めあての一季(いつき),半季の出替(でがわり)奉公や月雇(つきやとい),日雇へと移りかわっていった。江戸幕府は慶長(1596‐1615)のころから一季奉公をしきりと禁じ(これは一季奉公人の多くあったことを示すものであろう),軍役の確保のため譜代奉公の維持につとめた。…

※「人宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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