天然石を模造して人工でつくられた建築材料の一種。もっとも一般的にはテラゾーがこれに相当し、普通はポルトランドセメントや白色ポルトランドセメントを結合材として、種石に色彩や模様に特徴のある花崗(かこう)岩あるいは大理石の石粉や砕石を加え、黄土や酸化鉄などを顔料として用い、水で練って板状に成形したものである。結合材として、すでに顔料と調合したカラーセメントが用いられることも多い。成形後硬化する前に、水洗いによってセメント分を洗い出して種石を表面に浮き出させたもの、硬化後研摩機を用いて研ぎ出し、骨材の美しい断面を表面に出したものがあるが、後者がテラゾーである。製造は工場のほか現場施工もでき、さらに曲面仕上げも可能である。大理石などの天然のものが高価にしかも入手困難になっているために、多くの建造物の壁、床、柱などに広く使用されている。
最近では、メチルメタアクリレートやスピラン樹脂などの合成樹脂を用いて、セメントや石膏(せっこう)を基材とする材料の表面を大理石風に仕上げた建材も出ている。
[工藤矩弘]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…このように割材に手加工を施すことは,人件費の高騰した今日ではきわめてまれになってしまった。
[人造石]
天然石の砕石に砂やセメント,顔料などを混ぜ,水で練って硬化させたものを人造石という。一定寸法の板を工場で製作することもあり,現場で塗り込んで仕上げる場合もある。…
※「人造石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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