今今(読み)イマイマ

デジタル大辞泉 「今今」の意味・読み・例文・類語

いま‐いま【今今】

《「いま」を重ねて強めた語》
ごく近い過去。たった今。
「―其処そこへ出て行きなすった」〈藤村破戒
待ち望むようすを表す語。今か今か。
「―とわが待ついも鈴鹿山すずかやまふきこす風のはやもきななむ」〈古今六帖・五〉
恐れるようすを表す語。これが最後
「病をして―となりにければ」〈古今哀傷詞書
[類語](1たった今今しがた先ほどさっき先刻最前先に今時分今頃今どき今さらナウ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「今今」の意味・読み・例文・類語

いま‐いま【今今】

〘名〙 (「今」を重ねて強めた語)
① 現在。今どき。
※大鏡(12C前)五「栄えそめさせ給ひにしままに、又ほかざまへもわかれずなりにしぞかし。いまいまも、さこそは侍るべかんめれ」
② たった今。ついさっき。
※破戒(1906)〈島崎藤村〉八「今々其処へ出て行きなすった」
③ (「いまもいまも」の意) 今のまま。このままの状態。
滑稽本浮世床(1813‐23)初「『最うちっとお咄なせへ』『イマイマ居た迚(とて)あかんはいの』ト出て行」
④ (「と」を伴って用いることが多い) ある点に時間が近づきつつある状態をいう。
(イ) 待ち望む気持を表わす。今か今か。
※枕(10C終)一六〇「いまいまとくるしうゐ入りて、あなたをまもらへたる心地」
(ロ) 恐れあやぶむ気持を表わす。これが最期。特に、臨終を表わすことが多い。
※古今(905‐914)哀傷・八六二・詞書「道中(みちなか)にてにはかに病(やまひ)をして、いまいまとなりにければ」
新参
信長公記(1598)六「今々の指たる者にもあらざるには御扶持を加へられ候」

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