今日出海(読み)コンヒデミ

デジタル大辞泉 「今日出海」の意味・読み・例文・類語

こん‐ひでみ【今日出海】

[1903~1984]小説家評論家北海道の生まれ。東光とうこうの弟。戦後文部省に入省し、昭和43年(1968)文化庁初代長官となり文化行政に貢献する。「天皇の帽子」で直木賞受賞。他に「山中放浪」「いかれ三平」など。フランス文学翻訳でも知られる。

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20世紀日本人名事典 「今日出海」の解説

今 日出海
コン ヒデミ

昭和期の小説家,評論家,演出家 国際交流基金理事長;国立劇場会長;元・文化庁長官。



生年
明治36(1903)年11月6日

没年
昭和59(1984)年7月30日

出生地
北海道函館市

学歴〔年〕
東京帝大文学部仏文科〔昭和3年〕卒・法学部中退

主な受賞名〔年〕
直木賞(第23回)〔昭和25年〕「天皇帽子」,勲一等瑞宝章〔昭和49年〕,文化功労者〔昭和53年〕

経歴
昭和8年から20年まで明大でフランス文学の講師、教授のかたわら随筆、評論、翻訳、映画製作でと活躍。戦時中は陸軍報道班員として従軍し、18年「比島従軍」を発表。戦後は文部省に入り、社会教育局文化課長、芸術課長として芸術祭を推進、43年の文化庁独立とともに佐藤首相に請われて初代長官となり、4年間、文化行政にたずさわった。そのあと国際交流基金初代理事長、文化庁芸術祭執行委員長、国立劇場会長などを歴任。著作に直木賞作品の「天皇の帽子」のほか「山中放浪」「三木清における人間の研究」「海賊」、訳書ジイドの「地の糧」「田園交響曲」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「今日出海」の意味・わかりやすい解説

今日出海
こんひでみ
(1903―1984)

小説家、評論家、演出家。北海道函館(はこだて)の生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。学生時代から演劇活動に参加し、また『文芸都市』『作品』『行動』『文学界』などに評論、随筆、翻訳を発表。1939年(昭和14)明治大学教授。41年、陸軍報道班員としてフィリピンに渡る。44年末、再度ルソン島に赴き、壊滅した日本軍とともに5か月の間山中を敗走。『山中放浪』(1949)はその記録である。50年(昭和25)『天皇の帽子』で直木賞を受賞。『三木清における人間の研究』(1950)、『迷う人迷えぬ人』(1963)など、辛口の人物論が話題となった。68年、文化庁の初代長官。72年、国際交流基金理事長。ほかに文明批評的な新聞小説『怒(いか)れ三平』(1952~53)、『まだまだ夜だ』(1962)などの作品がある。作家今東光(とうこう)は長兄

古林 尚]

『『日本文学全集59 今東光・今日出海集』(1972・集英社)』『『山中放浪』『天皇の帽子』(中公文庫)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「今日出海」の解説

今日出海 こん-ひでみ

1903-1984 昭和時代の小説家,評論家。
明治36年11月6日生まれ。今東光(とうこう)の弟。フランス文学を専攻し,昭和8年明大教授。24年フィリピン戦線の従軍記録「山中放浪」を発表。25年「天皇の帽子」で直木賞。「三木清における人間の研究」など辛口の人物論で知られる。43年文化庁初代長官。53年文化功労者。昭和59年7月30日死去。80歳。北海道出身。東京帝大卒。

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367日誕生日大事典 「今日出海」の解説

今 日出海 (こん ひでみ)

生年月日:1903年11月6日
大正時代;昭和時代の小説家;評論家;演出家
1984年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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