体節動物(読み)タイセツドウブツ

デジタル大辞泉 「体節動物」の意味・読み・例文・類語

たいせつ‐どうぶつ【体節動物】

体が多数体節からなる動物環形動物節足動物とをいう。

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精選版 日本国語大辞典 「体節動物」の意味・読み・例文・類語

たいせつ‐どうぶつ【体節動物】

  1. 〘 名詞 〙 体が体節に分かれ、体節に付属肢あるいは剛毛などをもった動物群。環形・節足動物などが含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「体節動物」の意味・わかりやすい解説

体節動物
たいせつどうぶつ

フランスの生物学者キュビエが、1812年に動物界を体形によって四大別したうちの1名称。現在ではこれを上門として用いることもあり、環形動物、有爪動物(ゆうそうどうぶつ)、緩歩動物(かんぽどうぶつ)、舌形動物(したがたどうぶつ)、節足動物の五門が含まれる。これらの門のなかで節足動物がもっとも種類数が多く、環形動物がこれに次ぎ、ほかの三動物門は小群である。体節が環状になっているので環節動物ともいう。

 体節動物の共通な特徴は、体が一定または不定数の体節からなり、神経系は腹側にあって梯子(はしご)状になっており、循環系が背側にあって、いぼ足や数節の関節をもった付属肢で移動し、筋肉がよく発達すること、また卵割螺旋(らせん)形であることなどである。環形動物は体が一般に細長く、各体節がほとんど差のない同規的体節で構成されている。長い体は節に分かれることによって運動が容易になる。海産が大部分で、一部は陸上または淡水中にすむ。

 有爪、緩歩、舌形の各動物門は互いに類縁関係はないが、それぞれが環形動物に似る一方、節足動物にも似ていて、環形動物と節足動物とをつなぐ動物とされている。節足動物の種類は80万~100万ともいわれる。体表が堅いキチン質の外骨格に包まれ、えら呼吸から気管呼吸に進化して陸上生活ができるようになり、さらに空中まで生活の場を広げている。また、生態も多種多様で、なかには高度な社会生活を営むものもある。

[今島 実]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「体節動物」の意味・わかりやすい解説

体節動物
たいせつどうぶつ
Articulata; articulates

環形動物,節足動物,有爪動物 (カギムシ類) ,緩歩動物 (クマムシ類) ,舌形動物 (シタムシ類) の各門の動物をまとめて呼ぶときの名称で,分類学的には上門である (有爪動物以下の3門は節足動物門に含められることもある) 。体節制をもち,はしご状 (梯子型) の腹側神経系をもつ。原始的な相同的体節制から分化した異規的体節制へと進化し,神経節は合一して神経球を形成するようになり,付属肢も機能に応じて分化する。生態的には海から陸へと移行し,鰓呼吸から気管による呼吸へと移る。前口動物の主体を占める動物群である。フランスの動物学者 G.キュビエにより名づけられた。

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