代償行動(読み)だいしょうこうどう(英語表記)substitute behaviour

  • substitute behavior
  • だいしょうこうどう ダイシャウカウドウ
  • だいしょうこうどう〔ダイシヤウカウドウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ある目標がなんらかの障害によって阻止され達成できなくなったとき,これに代る目標を達成することによってもと欲求を充足するような行動。代償行動がもとの欲求を充足する程度を代償価といい,これは,もとの行動と代償行動との類似度,代償行動の困難度,その現実性の程度が高いほど大である。ニワトリ闘争から急についばみ行動に移ったり,トゲウオが急に砂掘り行動に移ったりすることを行動学では転位行動 displacement activityと呼ぶが,これも一種の代償行動である。

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大辞林 第三版の解説

ある目標へ到達することが不可能になったとき、代わりの満足を得るためにもとの目標に類似した別の目標に向かって行われる行動。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

代理的に満足を求めようとする行動。欲望や願望といわれているものは、それを満たす特定の行動がとれるとは限らない。海外旅行をしようと思っても経済的、時間的に余裕がなければ欲望そのものを満たすことができないので、それにかわるもので満足せざるをえない。とくに攻撃的な欲望は社会的、道徳的に禁止されているので、攻撃欲望そのものをあからさまに満足させることができず、それにかわるもので満足を求めようとする。たとえば、親に対して憎しみをもち攻撃の欲望をもつ子が、子イヌを残酷に扱う場合のようなものである。精神分析の置換えdisplacementや生態学の転位行動と類似の概念である。ゲシュタルト心理学レビンは代償行動について一連の実験的研究をしているが、それによれば中断された行動ともっとも類似した行動がもっとも代償行動として高い価値をもっている。代償行動は実際の行動ではなく空想や言語的表出によっても可能であるが、一般に代償行動では欲望は十分に満たされないから、理的緊張はいつまでも残る。[外林大作・川幡政道]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 心理学で、欲求をみたすことができないとき、他の行動によって緊張を緩和しようとする行動。

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