住田又兵衛(読み)すみだまたべえ

改訂新版 世界大百科事典 「住田又兵衛」の意味・わかりやすい解説

住田又兵衛 (すみだまたべえ)

歌舞伎囃子方住田派の家元名。現在まで4世を数え,代々笛方を勤めているがとくに3世が著名。初世(1814-61)は2世住田又七の娘多賀の門弟金太郎が1833年(天保4)に又兵衛となる。2世(1839-1903)は初世の門弟由之助がその養子となり,1864年(元治1)に襲名する。3世(1859-1921)は2世の門弟又四郎が1910年に襲名,笛の名手で,長唄研精会に属して色気のある音色をきかせて人気を博した。4世(1895-1968)は初め3世望月太喜蔵の門弟,のち3世又兵衛に師事,前名又三郎。1952年に4世を襲名する。長唄研精会や吉住会などの演奏のかたわら,篠笛練習会を設立して後進の指導にあたる。その没後名跡は絶えている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「住田又兵衛」の解説

住田 又兵衛(2代目)
スミタ マタベエ


職業
長唄囃子方(笛方)

別名
前名=由之助

生年月日
天保10年

出生地
江戸(東京都)

経歴
初代又兵衛の門弟で、師の娘と結婚、養子となって元治元年(1864年)2代目を襲名。初代には実子観太郎がいたが杵屋六四郎の門弟となり三絃方となったため養子縁組。9代目市川団十郎、5代目尾上菊五郎らの舞台に笛方を務め、明治期の歌舞伎囃子界に重きをなし、“駿河町の又兵衛”と呼ばれて活躍した。

没年月日
明治36年 11月1日 (1903年)


住田 又兵衛(4代目)
スミタ マタベエ


職業
長唄囃子方(笛方)

本名
長谷川 信次郎

別名
前名=又三郎

生年月日
明治28年 10月30日

出生地
東京

経歴
3代目望月太喜蔵、3代目住田又兵衛に師事し、昭和27年4代目又兵衛を襲名。長唄研精会や吉住会などで演奏する一方で篠笛練習会を主宰後継者育成にも力を入れた。

没年月日
昭和43年 3月12日 (1968年)


住田 又兵衛(3代目)
スミタ マタベエ


職業
長唄囃子方(笛方)

本名
伊藤 龍角

別名
前名=多蔵,又四郎

生年月日
安政6年

出身地
出羽国秋田(秋田県)

経歴
2代目住田又兵衛の門人。明治43年3代目又兵衛を襲名。名人と称され長唄研精会の重鎮としての地位を築いた。

没年月日
大正10年 9月23日 (1921年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「住田又兵衛」の解説

住田 又兵衛(4世)
スミダ マタベエ

昭和期の長唄囃子方



生年
明治28(1895)年10月30日

没年
昭和41(1966)年3月12日

出生地
東京

本名
長谷川 信次郎

経歴
3世望月太喜蔵、3世住田又兵衛に師事し、昭和27年4世又兵衛を襲名。長唄研精会などで演奏する一方で篠笛練習会を主宰。後継者の育成にも力を入れる。


住田 又兵衛(3代目)
スミダ マタベエ

明治・大正期の長唄囃子方



生年
安政6年(1859年)

没年
大正10(1921)年9月23日

出身地
出羽国秋田(秋田県)

本名
伊藤 龍角

経歴
2代目住田又兵衛の門人。明治43年3代目又兵衛を襲名。名人と称され長唄研精会の重鎮としての地位を築いた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「住田又兵衛」の解説

住田又兵衛(4代) すみた-またべえ

1895-1968 昭和時代の歌舞伎囃子(はやし)方。
明治28年10月30日生まれ。笛方住田派又兵衛家の4代家元。はじめ3代望月(もちづき)太喜蔵,のち3代住田又兵衛に師事。昭和27年4代又兵衛を襲名。長唄研精会や吉住(よしずみ)会などで演奏,篠笛(しのぶえ)練習会を設立した。昭和43年3月12日死去。72歳。東京出身。本名は長谷川信次郎。前名は又三郎。

住田又兵衛(2代) すみた-またべえ

1839-1903 幕末-明治時代の歌舞伎囃子(はやし)方。
天保(てんぽう)10年生まれ。初代又兵衛の門弟。笛方。初代の実子は杵屋(きねや)四郎治と名のり三味線方となっていたので,師匠の娘婿となり,元治(げんじ)元年2代を襲名。明治36年11月1日死去。65歳。江戸出身。前名は由之助。

住田又兵衛(3代) すみた-またべえ

1859-1921 明治-大正時代の歌舞伎囃子(はやし)方。
安政6年生まれ。2代又兵衛の門弟。笛方。明治43年3代を襲名。長唄研精会にくわわり活躍,名人といわれた。大正10年9月23日死去。63歳。出羽(でわ)秋田出身。本名は伊藤竜角。初名は多蔵。前名は又四郎。

住田又兵衛(初代) すみた-またべえ

1814-1862* 江戸時代後期の歌舞伎囃子(はやし)方。
文化11年生まれ。2代住田又七の娘多賀の門弟で,天保(てんぽう)4年住田又兵衛を名のり,笛方を専業とする。文久元年12月15日死去。48歳。江戸出身。本名は杉本金太郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「住田又兵衛」の解説

住田又兵衛(2代)

没年:明治36.11.1(1903)
生年:天保12(1841)
江戸後期・明治期の歌舞伎囃子方(笛方)。前名,由之助。初代又兵衛に師事し,その娘(6代目杵屋三郎助の姉)と結婚して養子となり,元治1(1864)年2代目又兵衛を襲名。「駿河町の又兵衛」と呼ばれ,名人と称された。一説に天保13(1842)年生まれとも。

(小林責)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

367日誕生日大事典 「住田又兵衛」の解説

住田 又兵衛(4代目) (すみた またべえ)

生年月日:1895年10月30日
昭和時代の歌舞伎囃子方
1968年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android