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文芸同人雑誌。1924年(大正13)10月から27年(昭和2)5月まで全32冊。金星堂発行。川端康成(かわばたやすなり)、横光利一(よこみつりいち)、片岡鉄兵(てっぺい)、中河与一(よいち)、今東光(こんとうこう)、佐佐木茂索(もさく)、十一谷義三郎(じゅういちやぎさぶろう)ら、当時『文芸春秋』に集まっていた新進作家を中心にして「新しき生活と文芸」を探求すべく創刊された。創刊号の横光の短編『頭ならびに腹』が大胆な擬人法を駆使した文体で注目を集め、千葉亀雄が「新感覚派の誕生」として取り上げたのをきっかけに同誌は「新感覚派」の牙城(がじょう)として文壇に新風を巻き起こした。川端の『伊豆の踊子』(1926)や横光の『ナポレオンと田虫』(1926)など意欲作が発表されたほか、「特集映画号」(1926)といった企画も注目に値する。日本近代文学館刊の復刻版(1967)がある。
[金井景子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…小学校の代用教員,新聞記者生活などのかたわら創作に励み,1921年文壇的処女作〈舌〉を《人間》に発表し,以後作家生活に入る。24年,横光利一,川端康成らと同人誌《文芸時代》を創刊,既成文壇打倒を目ざし,新感覚派の論客として花々しい活躍をはじめた。この時代の代表的小説集に《綱の上の少女》(1927)がある。…
…第6次《新思潮》に発表した《招魂祭一景》(1921)の新鮮な感覚を菊池寛らに認められて文壇に出た。横光利一らと新感覚派の機関誌《文芸時代》に拠り,新感覚派が昭和初期に腐食してしまったあとも新感覚派的手法を生かし続けた。《浅草紅団(くれないだん)》(1929‐30),《禽獣》をへて到達した極点に《雪国》(1935‐47)があり,近代抒情文学の代表作品となった。…
…文学流派。1924年(大正13)10月に同人雑誌《文芸時代》(1927年5月終刊)が創刊され,そこに結集した横光利一,川端康成,中河与一,今東光,片岡鉄兵らがこの名で呼ばれ,表現技法の革新を行った。命名者は千葉亀雄で《世紀》24年11月号誌上の文芸時評で〈新感覚派の誕生〉をうたったことによりこの名が文壇に定着した。…
…この前後の作では〈悲しみの代価〉〈御身〉などが注目される。24年,川端康成,片岡鉄兵らと《文芸時代》を創刊。既成のリアリズムに対して新しい表現を目指し,新感覚派の文学運動を展開。…
※「文芸時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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