日本大百科全書(ニッポニカ) 「佐久島」の意味・わかりやすい解説
佐久島
さくしま
愛知県中南部、三河湾(みかわわん)にある島。三河湾国定公園に含まれ、三河湾最大の島。面積1.81平方キロメートル。旧幡豆(はず)郡佐久島村をなしていたが、1954年(昭和29)一色(いっしき)町(現、西尾市)に編入された。知多半島沖の日間賀(ひまか)島、篠(しの)島とともに三河湾三島の一つ。最高点38メートルの低平な台地で、地質は日間賀島と同様新第三紀層の砂岩、頁(けつ)岩の互層。花崗(かこう)岩の篠島とは異なっている。江戸時代には三河海運の拠点で、江戸通いの千石船を所有する2軒の業者もあった。島民の生業は漁船漁業が主であったが、最近は旅館、民宿など観光開発も進み、海水浴、魚釣りなどにくる客が多い。定期船で一色港から約20分。1973年、海底水道が敷設され、愛知用水からの送水が始まった。人口298(2009)。
[伊藤郷平]
『『愛知の離島』(1982・愛知県)』