体部白癬(ゼニたむし)(読み)たいぶはくせん(ゼニたむし)(英語表記)Tinea corporis

六訂版 家庭医学大全科 「体部白癬(ゼニたむし)」の解説

体部白癬(ゼニたむし)
たいぶはくせん(ゼニたむし)
Tinea corporis
(皮膚の病気)

どんな病気か

 手足、股部を除いた皮膚に生じる白癬菌(はくせんきん)感染症で、頻度は全白癬患者の7%程度です。

 足(あし)白癬のある人に発症することが多いので、その放置が問題になります。また不潔、多汗などの皮膚の問題、あるいは肥満寝たきり、基礎疾患などの全身状態も関係します。

症状の現れ方

 体部白癬で多いのは、中心部が軽快して褐色調になる環状の大きな紅斑で、辺縁が少し隆起して水疱(すいほう)丘疹(きゅうしん)がみられます。また、動物からうつりやすいミクロスポルム・カーニス(犬小胞子菌)や格闘技の選手に広がっているトリコフィートン・トンスランス(トンスランス菌)が原因の場合は、接触部位に境界が鮮明な紅斑が多発します。さらにステロイド薬の誤用により、中心治癒傾向のない二重、三重の紅斑や毛包炎(もうほうえん)などを示すことがあります。かゆみは強いことが多いようです。

検査と診断

 直接鏡検(顕微鏡での検査)KOH法で行います。菌要素を比較的検出しやすい病気です。

治療の方法

 基本的に外用治療で、比較的簡単に治ります(白癬)。

病気に気づいたらどうする

 湿疹など他の皮膚病との区別が重要なので、皮膚科専門医を受診してください。

加藤 卓朗

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

世界大百科事典(旧版)内の体部白癬(ゼニたむし)の言及

【たむし】より

皮膚真菌症の一つ。医学的には体部白癬(はくせん)という。頭部,手足以外の生毛部の角質層に皮膚糸状菌が感染して発症する皮膚疾患。…

※「体部白癬(ゼニたむし)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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