使部(読み)シブ

デジタル大辞泉 「使部」の意味・読み・例文・類語

し‐ぶ【使部】

律令制で、太政官八省などの官庁の、雑役に使われた下級役人。つかいべ。

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精選版 日本国語大辞典 「使部」の意味・読み・例文・類語

し‐ぶ【使部】

〘名〙 令制で、太政官の八省以下の役所で、雑役に使われた下級役人。つかいべ。つかわれべ。
※栄花(1028‐92頃)つぼみ花「こと殿をば、受領おのおの皆仕うまつるべき宣旨下りて、官使部(シブ)(ばら)国々あかれぬ」

つかい‐べ つかひ‥【使部】

〘名〙 令制で、官司に属して雑役に従事した者。しぶ。つかわれべ。
令義解(718)職員「使部卅人」

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改訂新版 世界大百科事典 「使部」の意味・わかりやすい解説

使部 (しぶ)

日本古代律令制の官職の一つ。〈つかいべ〉ともいう。すべての在京官司に置かれる下級官職だが,官司の規模等級に応じて定員に差等がある。多きは太政官に160人,少なきは司に6人から16人。定められた職掌はなく,雑用に従事する。交替勤務する内分番の官で,8年(のち6年)ごとに成績が審査される雑任(ぞうにん)の一つ。畿内出身の六位以下八位以上の官人の嫡子で,とりたてて才能のない者をもって任ずる。
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世界大百科事典(旧版)内の使部の言及

【使部】より

…日本古代律令制の官職の一つ。〈つかいべ〉ともいう。すべての在京官司に置かれる下級官職だが,官司の規模と等級に応じて定員に差等がある。多きは太政官に160人,少なきは司に6人から16人。定められた職掌はなく,雑用に従事する。交替勤務する内分番の官で,8年(のち6年)ごとに成績が審査される雑任(ぞうにん)の一つ。畿内出身の六位以下八位以上の官人の嫡子で,とりたてて才能のない者をもって任ずる。【早川 庄八】…

【番上】より

…諸官庁の構成のなかで,雑任(ぞうにん)クラスの下級職員は,いずれも番上である。すなわち,中央諸官庁,大宰府,諸国などの史生,中央の伴部,使部,官掌・省掌などの掌類,大舎人・東宮舎人・中宮舎人らの舎人(とねり),兵衛,および親王の公的従者である帳内(ちようない),貴族官僚の公的従者である資人などは,いずれも番上であり,また大宰府や諸国府に勤務した下級職員たちも番上であった。そして式部省に籍を置く散位六位以下は散位寮に番上し,地方諸国の外散位は国府に番上したのであり,国府に番上した下級職員たちとともに外分番ともよばれた。…

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