供奴(読み)ともやっこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

供奴
ともやっこ

歌舞伎舞踊曲。長唄。本名題『拙筆力七以呂波 (にじりがきななついろは) 』。2世瀬川如皐作詞,10世杵屋六左衛門作曲。振付は西川扇蔵ら。文政 11 (1828) 年3月江戸中村座で,中村芝翫 (4世歌右衛門) が初演。芝翫の当り芸の一つで「芝翫」ともいわれる。郭通い主人の供に遅れた奴が,主人を捜しながら,主人のまねをし,郭通いの丹前の振り (奴丹前といわれる) やいろいろの所作をする。拍子本位の派手な曲で,長唄の代表曲の一つ。

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デジタル大辞泉の解説

ともやっこ【供奴】

歌舞伎舞踊。長唄。七変化「拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)」の一。2世瀬川如皐(せがわじょこう)作詞、10世杵屋六左衛門作曲。文政11年(1828)江戸中村座で中村芝翫(しかん)(4世歌右衛門)が初演。主人の供で郭(くるわ)へ通う奴(やっこ)を舞踊化したもの。芝翫奴。

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世界大百科事典 第2版の解説

ともやっこ【供奴】

歌舞伎舞踊。長唄。七変化所作事《拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)》の一曲。1828年(文政11)3月江戸中村座初演。2世中村芝翫(4世中村歌右衛門)所演。作詞2世瀬川如皐。作曲4世杵屋三郎助(10世杵屋六左衛門)。振付市山七十郎藤間大助(2世藤間勘十郎),4世西川扇蔵。供をして廓(くるわ)へいく奴を描く。主人の六方ぶりを誇らしげにまねたり,活発な足拍子のくだりや奴の生活をのぞかせるくだりが興深い。

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大辞林 第三版の解説

ともやっこ【供奴】

歌舞伎舞踊の一。長唄。七変化の一。本名題「拙筆力七以呂波にじりがきななついろは」。別名「芝翫しかん奴」。二世瀬川如皐じよこう作詞。1828年江戸中村座で中村芝翫(四世歌右衛門)が初演。郭くるわ通いの旦那の供をする奴を舞踊化した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

供奴
ともやっこ

歌舞伎(かぶき)舞踊。長唄(ながうた)。2世瀬川如皐(じょこう)作詞。杵屋三郎助(きねやさぶろうすけ)(10世六左衛門)作曲。市山七十郎(なそろう)・藤間大助振付け。1828年(文政11)3月江戸・中村座で、中村芝翫(しかん)(4世歌右衛門(うたえもん))が踊った七変化(へんげ)舞踊『拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)』の一節。長唄の「奴(やっこ)物」の代表作で、初演者を記念して「芝翫奴(しかんやっこ)」ともいう。武士の供をして廓(くるわ)へ通う奴が、主人にはぐれ、提灯(ちょうちん)片手に走り出たという趣向で、主人のまねをして丹前六方をしたり、足拍子を踏んで踊りぬく。華やかな廓情緒にあふれ、足拍子をいろいろに踏むところが見せ場。近年では7世坂東三津五郎の得意芸だった。[松井俊諭]

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精選版 日本国語大辞典の解説

とも‐やっこ【供奴】

[1] 〘名〙 供として従う奴僕。供の奴。
俳諧・七番日記‐文化一一年(1814)一月「福わらや十ばかりなる供奴」
[2] 歌舞伎所作事。長唄。二世瀬川如皐作詞。四世杵屋三郎助(一〇世杵屋六左衛門)作曲。市山七十郎・藤間大助・四世西川扇蔵振付。文政一一年(一八二八)江戸中村座初演。四世中村歌右衛門の七変化舞踊「拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)」の一つ。吉原通いの主人の供をして来た奴が、主人にはぐれての舞踊。初演者の名により「芝翫奴」ともいう。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

供奴
(通称)
ともやっこ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
拙筆力七以呂波
初演
文政11.3(江戸・中村座)

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