便利屋(読み)べんりや

精選版 日本国語大辞典 「便利屋」の意味・読み・例文・類語

べんり‐や【便利屋】

〘名〙 雑用配達などの用件を手軽に引き受けることを業とする者。便達屋。転じて、どんな用事でも簡単に引き受けて無難にやり遂げてくれる人。〔新らしい言葉字引(1918)〕

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デジタル大辞泉 「便利屋」の意味・読み・例文・類語

べんり‐や【便利屋】

伝言・配達や品物調達などの雑用を手軽く引き受けるのを職業とする者。

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改訂新版 世界大百科事典 「便利屋」の意味・わかりやすい解説

便利屋 (べんりや)

交通・通信施設が未発達な時代・地域において,物資の配達や伝言を伝えることを業としたもの。便達屋と呼ぶこともある。たとえばある村の人が隣村知人に届物をしたい時,もしくは連絡事項を伝えたい時,この便利屋に託すのである。必ずしも近距離に限られず,かなりの遠距離を往復するものもあった。料金が安く,しかも比較的確実であったため,明治大正時代にはかなり活躍していた。発生時期は明確ではないが,形態専業兼業の2種類あった。後者行商人あるいは物資運搬業者がこれを兼ねたもので,近世にはむしろこの形態が一般的であり,一つの職業として認識されるまでには至らなかった。それが明治以降需要の拡大に伴い,専業者が出現したものと思われる。その後専業者は見られなくなってしまい,小口貨物の配達や電話網の充実がその業務を引き継いでいるが,近年ふたたび業者が増加している。
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百科事典マイペディア 「便利屋」の意味・わかりやすい解説

便利屋【べんりや】

客の依頼を受けて用事を代行する業者。依頼される用事の内容はさまざまで,引越し手伝い,清掃,営繕などから,コンサート・チケット取り,電話番,犬の散歩などもある。便利屋という名称と業種が定着してきたのは昭和50年代半ばで,以降それぞれの内容に専門化した代行業も発展している。飲酒した人に代わって車を運転し,人と車を送り届ける運転代行や家の掃除などは専門業者も多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「便利屋」の意味・わかりやすい解説

便利屋
べんりや

人に依頼されて荷物を集配したり,他人の代理をしたり,屋根や門塀などの修理をしたりするなど,さまざまな雑用を業とする者で,別に便達ともいう。電話が未発達であったり,交通が不便だった頃には,よく利用されたが,瀬戸内海の島嶼間など一部の地方を除いて,現在ではあまりみられなくなった。

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