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係船 けいせんlaying up

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

係船
けいせん
laying up

海運業において,運賃市況が悪化して運賃収入が運航費用を下回るようになった場合に,船を港に係留して稼働できないような状態におくこと。船主としては,運航によってあげうる運賃収入よりも運航費用が高くつくような状況では,その損失船費 (係船していてもかかる費用のことで船舶の償却,金利,係船保険料などを含む) を上回る以上,運航を続けるよりも係船したほうが損失を軽減することができる。この限界点が普通係船点といわれるが,係船をするには漁業補償費が必要となり,日本の場合このため係船点は相当高く,係船によって採算割れを少くすることは,容易に実施に移せるわけではない。

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デジタル大辞泉の解説

けい‐せん【係船/×繋船】

[名](スル)
船をつなぎとめること。また、その船。「湾内に―する」
海運業不況のとき、運航による損失を免れるため、船会社が所有船の使用を中止し、港につなぎとめておくこと。また、その船。

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世界大百科事典 第2版の解説

けいせん【係船】

船の運航を中止して,港に係留すること。海運市場における船腹の供給過剰によって引き起こされる海運不況時には,運賃市況が後退を続ける過程で競争力に乏しい高コスト船から順に,その運賃収入は運航コストと等しい〈損益分岐点〉にまで落ち込む。しかし,そこで運航を止めて係船しても,変動費である運航費(燃料費,貨物費,港費等)はなくなるが,固定費である減価償却費,利子,一般管理費等はほとんど節約されることなく着実に生じる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

係船
けいせん

船を一時的に港に係留することをいい、錨泊(びょうはく)、浮標係留、岸壁(桟橋)係留の3種がある。船舶の修理、検査などのために行われるが、そのほか、海運市況が悪化し、船舶の稼動を少なくするため、一時的に船の運航を停止させて港に係留する場合にも係船の語が用いられる。
 その場合、年間稼動率からその係船率を運賃に割り当てて定める定期的係船は別として、不況的係船は、経済的不況により船が余って、運賃が下がり、運航費を償うことができなくなって、やむをえずとられる臨時的な措置である。したがって、係船するかどうかは、係船点に左右される。
 係船点とは、運賃が下がって、それが総運送費を下回るようになった際、運航を中止することにより生ずる損失と、係船のために要する総費用が等しくなる場合で、その船の運賃収入が係船点を下回る場合は、むしろ係船したほうが有利とされる。[鳥谷剛三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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