(読み)バイ

デジタル大辞泉 「倍」の意味・読み・例文・類語

ばい【倍】[漢字項目]

[音]バイ(呉)
学習漢字]3年
同じ数量を重ねること。「倍加倍増倍率/数倍・層倍
ます。ふやす。「倍旧
[名のり]ます・やす
難読安倍川あべかわ五倍子ふし倍良べら

ばい【倍】

[名]ある数量を二つ合わせた数量。2倍。「の分量」「にして返す」
[接尾]助数詞。同じ数を重ねて加え合わせる回数を表すのに用いる。「三」「一〇
[類語]ダブル

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精選版 日本国語大辞典 「倍」の意味・読み・例文・類語

ばい【倍】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ある数量を二つ合わせた数量。二倍
    1. [初出の実例]「倍直 ネダンガ タコフテ ドウテモ リヲ バイモ トロウトスルカ」(出典:交隣須知(18C中か)三)
    2. [その他の文献]〔書経‐呂刑〕
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 同じ数を重ねて加え合わせる回数を表わすのに用いる。「二倍」「百倍」など。
    1. [初出の実例]「雖四百八十日。不一倍」(出典令義解(718)雑)
    2. 「きのふには一ばいましの羽蟻哉」(出典:俳諧・文政句帖‐五年(1822)五月)

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普及版 字通 「倍」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] バイ・ハイ
[字訓] ます・ばいまし・そむく

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は(はい)。は孛(はい)(花の子房のふくらみ)が熟して果となり、剖(さ)ける意。それで両倍の意となる。〔説文〕八上に「反(そむ)くなり」と背の意とし、〔段注〕にそれを字の本義とするが、両分することよりして背倍譎(はいきつ)の意を生ずる。背・陪と声義において通用する。

[訓義]
1. ます、ばいまし、ふえる。
2. ますます、いよいよ。
3. 背・陪と通じ、そむく、はなれる、わける、もとる、そらよみ。

[古辞書の訓]
名義抄〕倍 マサル・マス・マスマス・ソムク・ヘグ・イカタ・イハフ・ハムヘリ・ツカフ・アト・イライラ・アツツカヘ・ママ

[語系]
倍・培・陪buは同声・同系の語。は花の子房のふくらみ。不・(はい)は花、否・(い)は果実のみのる過程、剖(ほう)はその剖落することをいう。人為の意を加えて剖・倍・培・陪という。背の義は背puk、buk、(負)biu、北pkと声が通じ、その義にも用いる。

[熟語]
倍阿・倍依・倍加倍奸倍還倍義・倍譎倍言・倍差・倍・倍弐・倍日・倍書倍称倍償倍常・倍心倍羨倍息・倍道倍徳倍畔倍反・倍・倍文・倍約倍理倍禄
[下接語]
加倍・功倍・数倍・増倍・鄙倍

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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