偏心輪(読み)へんしんりん(その他表記)eccentric

翻訳|eccentric

精選版 日本国語大辞典 「偏心輪」の意味・読み・例文・類語

へんしん‐りん【偏心輪】

  1. 〘 名詞 〙 往復運動と回転運動相互変換する装置蒸気機関蒸気の入口弁の開閉や家庭用ミシンの針の上下運動などに利用

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改訂新版 世界大百科事典 「偏心輪」の意味・わかりやすい解説

偏心輪 (へんしんりん)
eccentric

エキセントリックともいう。中心からある距離eだけ離れた点に回転軸をつけた円板。距離e偏心距離という。図に示したように,偏心輪にすべり得る輪をはめ,その輪に連節棒をとりつけたものは,往復運動と回転運動を相互に変換するのに用いられる。これは機構学的にはクランク機構と同じで,クランク機構の場合は距離eが大きく,偏心輪の場合は距離eが小さいだけの相違である。偏心輪はストロークが小さい往復運動が要求される場合に利用されるが,そのほか偏心輪カムとしての使用もある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偏心輪」の意味・わかりやすい解説

偏心輪
へんしんわ
eccentric

回転運動を往復運動に変え,またはその逆を行う装置。偏心内輪,偏心外輪,偏心棒から成り,偏心内輪は偏心外輪に抱込まれながら自由に回転し,それ自体の中心と,回転の中心が異なるため,偏心棒に往復運動を与える。蒸気機関の弁装置,往復ポンプ,偏心プレスなどに使用される。現場用語で「えきせん」という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「偏心輪」の意味・わかりやすい解説

偏心輪
へんしんりん

円板または円輪で円の中心点以外に回転中心のあるもの。外側に外輪をはめ、それに連結棒を取り付け、偏心輪を回転させると、連結棒は往復運動をする。構造が簡単なので、回転運動を往復運動に変える機械部品として利用範囲は広い。

[中山秀太郎]


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百科事典マイペディア 「偏心輪」の意味・わかりやすい解説

偏心輪【へんしんりん】

偏心した位置に回転中心をもつ円板と,それを取りまく輪からなる装置。輪は円板の周囲を滑動でき,かつ連接棒をもっている。円板の回転によりクランク軸と同様,往復運動と回転運動の変換をする。

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