日本大百科全書(ニッポニカ) 「クランク軸」の意味・わかりやすい解説
クランク軸
くらんくじく
蒸気機関や内燃機関などでピストンの往復運動を回転運動に変える機能をもつ軸。クランク軸のことを単にクランクともいう。クランクはクランク軸、クランクアーム、クランクピンからなり、ピストンの往復運動は連接棒でクランクに伝えられる。クランクピンはクランクアームの長さを半径とする円運動を行い、クランク軸を回転させる。小型のクランク軸は鋼を鍛造して一体としてつくるのが普通であるが、船舶用の大型エンジンのクランク軸は数個の部品を組み合わせてつくる。シリンダーが多数あるエンジンでは、クランクアームは互いにある角度だけずらしてつくられる。この角度をクランク角という。多数のシリンダーの作用で生ずる慣性やトルクの不つり合いを打ち消したり少なくしたりするためである。
[中山秀太郎]