傾動(読み)ケイドウ

デジタル大辞泉 「傾動」の意味・読み・例文・類語

けい‐どう【傾動】

[名](スル)
他の働きかけによって考えがぐらつくこと。また、他に働きかけて動かすこと。
公衆に演説し、以て輿論よろんを―する」〈東海散士佳人之奇遇
断層運動によって地塊片側が大きく隆起したため、地表が傾く運動

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精選版 日本国語大辞典 「傾動」の意味・読み・例文・類語

けい‐どう【傾動】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他の働きかけによって心がぐらつくこと。また、他に働きかけて動かすこと。特に、世間に働きかけて影響を与えること。
    1. [初出の実例]「堂衆等敢以不傾動云云」(出典玉葉和歌集‐治承二年(1178)一〇月四日)
    2. 「舌を掉ふて公衆に演説し、以て輿論を傾動するものあるを聞かざるなり」(出典:佳人之奇遇(1885‐97)〈東海散士〉六)
  3. 断層により地塊が上昇する時に、地塊の一方がより大きく上昇するために生ずる運動。急な断層崖とその後方のゆるやかな斜面とができる。
    1. [初出の実例]「『地下の風』の圧力が地の傾動を起し震動を起すといふ考」(出典:ルクレチウスと科学(1929)〈寺田寅彦〉六)

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普及版 字通 「傾動」の読み・字形・画数・意味

【傾動】けいどう

名声を慕う。〔甌北詩話、東坡詩〕東坡(軾)の才名一世に震爆す。故に至る傾動す。士大夫(たくせき)(流罪)中に在るも、ほ皆ひて之れとはりて、敢て相輕せず。

字通「傾」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の傾動の言及

【地塊】より

…断層の運動様式には,断層面の走向に平行な移動成分の大きい〈横すべり〉型のものと,断層面の傾斜方向に沿う移動成分の大きい〈縦すべり〉型のものとがあり,さらにこのほかに回転を伴う型の運動もある。これらによって,相対的な隆起,沈降,水平移動,傾動(後述)など各種の地塊運動が発生するのである。 地塊には種々な形態のものがある。…

※「傾動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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