兌換銀行券(読み)ダカンギンコウケン

デジタル大辞泉 「兌換銀行券」の意味・読み・例文・類語

だかん‐ぎんこうけん〔ダクワンギンカウケン〕【×兌換銀行券】

発券銀行が持参人に対し、いつでも券面金額だけの正貨と引き換えることを約束した銀行券。現在は廃止

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精選版 日本国語大辞典 「兌換銀行券」の意味・読み・例文・類語

だかん‐ぎんこうけん ダクヮンギンカウケン【兌換銀行券】

〘名〙 発券銀行が、保有者の要求があれば同額の正貨と引き換える約束の下に発行した銀行券。日本では明治一八年(一八八五日本銀行兌換券を発行。大正六年(一九一七)第一次世界大戦のため兌換を停止。さらに昭和一七年(一九四二)兌換制度廃止。兌換券。
太政官布告第三十二号‐明治一五年(1882)六月二七日「日本銀行は兌換銀行券を発行する権を有す」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「兌換銀行券」の解説

兌換銀行券
だかんぎんこうけん

金または銀など正貨と定められている貨幣と,請求次第いつでも交換できる銀行券。日本の場合,為替会社の兌換券発行が失敗に終わったあと,1872年(明治5)の国立銀行条例にもとづく国立銀行券が金兌換準備で発行されたが,76年の同条例改正で兌換は停止された。紙幣整理をへた84年に兌換銀行券条例が公布され,翌年から銀兌換の日本銀行券が発行された。97年10月の貨幣法施行により日本銀行券は金兌換が義務づけられた。1931年(昭和6)12月に日本は金本位制を離脱し日本銀行券の兌換を停止,さらに42年日本銀行法の施行により日本銀行は金兌換の義務から解放され,兌換銀行券は姿を消した。

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世界大百科事典(旧版)内の兌換銀行券の言及

【貨幣】より

…そして,この貨幣の時代は18~19世紀にまで及び,人類史上きわめて長い期間を占めている。(3)紙券貨幣(紙幣,銀行券) (a)兌換銀行券 商工業など産業の発展に伴い,貨幣取引が大規模となり,活発となった。このため貨幣の流通量は巨大化し,流通速度は激化した。…

【銀行券】より

…このように銀行券は,個々の銀行から中央銀行へと発行主体が変化したが,その信用供与を見返りに発行される点では共通であり,おもに政府財政の赤字補塡(ほてん)のために発行された政府紙幣とは基本的に異なる。 金本位制のもとでは銀行券は金貨と兌換(だかん)されるので,この兌換銀行券は金貨と同価値物である。その後1931年イギリスが金本位制を離脱すると,他の諸国もそれに追随し,ほとんどの国が管理通貨制に移行した。…

【兌換券】より

本位貨幣(または正貨)との兌換が保証されている銀行券,正しくは兌換銀行券といい,兌換が停止された不換銀行券に対立する用語。政府紙幣も金貨兌換の約束で発行された場合もあったが,結果的に兌換が行われた場合はきわめて少なく,兌換券には政府紙幣を含めないのが通説である。…

※「兌換銀行券」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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