八橋油田(読み)ヤバセユデン

デジタル大辞泉 「八橋油田」の意味・読み・例文・類語

やばせ‐ゆでん【八橋油田】

秋田市西部にある油田。昭和8年(1933)から採掘が行われ、秋田油田中心。産油量は同35年ごろを最盛期として減少

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精選版 日本国語大辞典 「八橋油田」の意味・読み・例文・類語

やばせ‐ゆでん【八橋油田】

  1. 秋田市八橋にある油田。明治二年(一八六九)に発見。昭和八年(一九三三)から本格的に開発され、同三四年原油産出量は全国第一位に達したが、以後、産出量は急激に減少。

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日本歴史地名大系 「八橋油田」の解説

八橋油田
やばせゆでん

[現在地名]秋田市八橋

現在も帝国石油八橋鉱業所が建つが、かつて水田中に林立した石油櫓は、石油資源の枯渇とともに姿を消した。

梅津政景日記」寛永八年(一六三一)一〇月一〇日条に「くさうつのあふら(草生津の油)を頼売」とみえ、すでにこの時期に久保田くぼたやその近郊で石油が売買された。人見蕉雨の「黒甜瑣語」に「矢橋臭津くさうづの橋の下にも油あり、往来のもの杖にさぐり石をしづむれば、水面に碧雲の状浮ぶ。寛政十二年の夏、果してこの辺り油のわきつぼを見出せしものありて、府に申し出て産業とす。すべてこの油の出ずる秋田地方一処ならず」と述べる。露見する油を汲み、野外での灯明に用いた。

石油開発を最初に手がけたのは、久保田上通かみとおり町の油商人千蒲善五郎といわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「八橋油田」の意味・わかりやすい解説

八橋油田 (やばせゆでん)

JR秋田駅の西方約3kmの秋田市八橋を中心として北は同市外旭川,南は同市新屋にいたる南北約15km,幅約500mの細長い形をした集油面積3.38km2の油田。日本国内で発見された最大の油田である。油田構造は,第三紀の中新世から鮮新世にわたる地層が西急東緩の背斜構造をなしており,この第三系を第四紀の砂礫層が不整合におおう。石油はこの背斜の頂部に集積しており背斜トラップである。油層は深度350~1750mの範囲に十数層あり有効層厚は126m,これを構成する岩石砂岩凝灰岩である。この油田の開発は1933年日本鉱業(株)が第四紀層中に賦存する油層を発見したのに始まる。その後35年に,日本鉱業の雄物川C4号井と日本石油(株)の八橋C1号井がともに深度約200mで日産原油180kl以上という成功をおさめ,本格的に第三紀層中の油層が開発されるようになった。41年に帝国石油(株)に油田の開発が統合されて深部層の開発が行われ現在にいたっている。1935年から61年まで日本国内では最も生産量の多い油田であったが,1959年の年産29万4000klを最高の生産量として以後減退に向かい,86年末までの累計生産量は油533万kl,ガス12億m3。総可採鉱量は630万klと見積もられている。原油の比重は0.839~0.893で,パラフィン系炭化水素とナフテン系炭化水素を含む混合基の原油である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「八橋油田」の意味・わかりやすい解説

八橋油田
やばせゆでん

秋田市西部、旧雄物(おもの)川東岸一帯に分布する油田。支流草生津川(くそうづがわ)沿いの南北13キロメートル、幅約500メートルの地域。江戸時代末期、秋田藩の御用油商人千蒲善五郎(ちがまぜんごろう)が石油開発したことに始まる。1902年(明治35)に県と地元資本による秋田石油調査会の設立を経て、本格的な開発は、1932年(昭和7)の試掘に始まり、1935年に深度206メートルで突如大噴油した。1959~1960年に最盛期を迎え、日産で原油が約800キロリットル、天然ガスが48万立方メートルと全国一であったが、以後急速に衰退した。水田に林立していた石油櫓(やぐら)もほとんど消滅したが、2014年段階稼動中。

[柘植敏朗]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八橋油田」の意味・わかりやすい解説

八橋油田
やばせゆでん

秋田県秋田市西部に位置する日本で最大規模の油田。1933年に日本鉱業(→JX日鉱日石エネルギー)によって発見され,1935年に生産開始された。その後日本石油なども同地域の油田開発に乗り出し生産量が拡大,1959年に日量 5072バーレルを記録した。第2次世界大戦後も帝国石油(→国際石油開発帝石)が操業を続けたが,枯渇が近づき生産量は年間約 10万バーレルまで減少した。

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百科事典マイペディア 「八橋油田」の意味・わかりやすい解説

八橋油田【やばせゆでん】

秋田油田

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デジタル大辞泉プラス 「八橋油田」の解説

八橋(やばせ)油田

秋田県秋田市にある油田。1935年生産開始。累計生産量は国内最多。

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