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公的扶助 こうてきふじょ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公的扶助
こうてきふじょ

健康で文化的な最低限度の生活を維持しえない生活困窮者に対して,国家がその責任において行う扶助制度。その財源はもっぱら税金その他国および地方公共団体の一般収入によってまかなわれ,受給権者に醵出義務はない。

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デジタル大辞泉の解説

こうてき‐ふじょ【公的扶助】

生活困窮者に対し、国または地方公共団体最低限度の生活を保障するために経済的援助を行う制度。

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百科事典マイペディアの解説

公的扶助【こうてきふじょ】

最低生活を維持するに足る資産,能力,所得がなく,また他の社会保障制度でも最低生活需要を支弁できない場合の公費による生活保障制度。現在日本では生活保護法がその一般法である。
→関連項目資産調査生活保護制度扶養義務

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

公的扶助

生活に困窮し日常生活を営むことが難しい人に対して、国が最低限の生活を保障する制度。日本国憲法で規定されている「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」の保障を実現するもので、生活保護がこれに該当する。 生活保護を受けるためにはまずミーンズテスト資産調査)を受け、所有の資産について売却すべきか保有すべきかの判断が下される

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世界大百科事典 第2版の解説

こうてきふじょ【公的扶助 public assistance】

社会保障とくに所得保障の部門の一つであり,社会保険に対しての補助的手段である。社会保険は,そのおもな財源を被保険者や雇用主の拠出する掛金に求め,保険の形式をとって困窮の度合を問わず画一的に給付される。一方,公的扶助は,その財源を国や地方自治体など公的財源すなわち一般的な租税に求め,救貧の最後の安全網として,困窮の度合に応じ,厳格な資力調査means testを伴って個別に給付される。公的扶助を資本主義社会において整備された社会保障体系の一環として厳格に解すれば,以上のようになるが,公的扶助を文字どおりに解するならば,範囲を拡大して,日本の老人福祉法などの福祉立法,戦傷病者戦没者遺族等援護法などの戦争犠牲者関係の各種援護法,結核予防法などの保健衛生関係立法,あるいは就学・就職などの奨励・促進などに関する立法,さらに広くは各種料金についての減免措置などにさえも,公的扶助の面があるといってよい。

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大辞林 第三版の解説

こうてきふじょ【公的扶助】

生活困窮者に最低限度の文化的生活を保障するために、国が経済的援助を行う制度。 → 生活扶助

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公的扶助
こうてきふじょ
public assistance

貧困に陥った人々に対し、国と地方自治体が最低限度の生活を保障する制度。公的扶助という用語が法的に定着をみるのは、1929年イギリスで、地方自治改正法によって、それまでの救貧法を運営する機関が、「公的扶助委員会」として成立してからである。続いて1935年、公的扶助を中心とするアメリカ社会保障法が成立した。こうして普及してきた公的扶助は、社会保障制度成立期に、社会保険とともに車の両輪一つとして位置づけられた。つまり、かつての救貧法とは違って、生存権思想を中心にして扶助の公的(主として自治体)責任を明らかにしたものである。しかし、生活困窮者のニード(要保護性)確認のための資産調査means test(扶養義務、資産活用、他法・他施策活用、最低生活費の維持、収入認定)を伴っていたので、1935年当時のイギリスの失業反対闘争や多くの労働運動関係者は、資産調査がプライバシーの侵害となり、人権保障にはならない制度であると反対した。レーニン型の社会保障理念(1917)では公的扶助プランはなく、1953年に採択された世界労働組合連盟の「社会保障ウィーン綱領」や、61年の世界労連第5回大会(モスクワ)決定の「社会保障憲章」では、「社会保障が適用されない分野の人々のために、公的扶助制度がある所では、どこでもこのような制度を漸次社会保障制度に取り替えてゆかねばならない」(社会保障の原則4)と述べられている。
 その意味では、公的扶助制度の基本矛盾は権利性の保障と資産調査であり、今後は社会扶助(社会的消費ファンド形成への一形態)へと変化していくものと思われる。事実、イギリスのビバリッジ計画での公的扶助制度のプランは、国家責任による「国家扶助」として、社会保険を中心にした社会保障制度の未成熟ゆえに、また、社会保険などの画一的行政になじまない特別なニードに対して残余の制度としてやむをえないものとされ、だんだん減少していくものと考えられていた。しかし、第二次世界大戦後に、家族手当法、国民保健サービス法などによる社会扶助制度の拡大がイギリスで行われたが、1950年のヨーロッパ復興計画(マーシャル・プラン)による軍備拡大は社会保障費の削減をもたらした。そもそも成立時より国家扶助法基準額が国民保険法に基づく老齢年金額よりも家賃分だけ高くなっており、拠出した者が拠出しない者より給付額が低いという珍現象が生じた。1960年にこれを克服する意味で企業年金の導入を図り、66年には社会保障省成立により、国家扶助法の扶助名を補助年金、補助給付と名称変更し、本来は受給しうるのに扶助イメージを嫌ってがまんしている老人たち(約3分の2)に、国家扶助受給の促進を図ろうとした。しかし、国家扶助給付金よりも拠出年金のほうが高いという正常な給付額は未達成である。日本でも同じであり、とくに最低賃金制が実質上の機能を果たしていないので逆現象となり、ますます公的扶助受給者は増加し続けている。それが今日の第三次(ある人は第四次とも)保護引締め政策の理由にもされている。
 公的扶助制度が権利性強化へと向かって社会扶助化するのか、逆に資産調査が強化されて救貧法化されるのかは、ひとえに国民ひとりひとりの生存権意識の形成にかかっている。[白沢久一]
『小倉襄二著『公的扶助』(ミネルヴァ書房・社会事業新書) ▽籠山京著『公的扶助論』(1978・光生館) ▽白沢久一著『公的扶助労働の基礎理論』(1982・勁草書房)』

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世界大百科事典内の公的扶助の言及

【社会保障】より

…(〈S.J.ウェッブ〉の項参照)彼女らは救貧法とそれを支えてきた行政組織の解体を提案し,貧困者への抑圧に代えて貧困予防の重要性を強調した。第1次大戦後にこの考え方がしだいに具体化され,1929年に公的扶助委員会の設置が法定されることによって救貧法原則は実質的に廃止された。扶助は極貧者だけではなく,生活上のニーズを充足する手段を欠いた貧困者に対しても法定の権利として給付されるようになった。…

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