共同債権買取機構(読み)きょうどうさいけんかいとりきこう

百科事典マイペディア 「共同債権買取機構」の意味・わかりやすい解説

共同債権買取機構【きょうどうさいけんかいとりきこう】

金融機関不良債権処理を円滑に進める目的で,金融機関から不動産担保付の債権を買い取る株式会社。民間金融機関都市銀行,長期信用銀行,信託銀行など162の金融機関)の共同出資で1993年1月に設立。 出資している金融機関は,不動産担保付不良債権を価格判定委員会(不動産鑑定士などで構成)の評価額で共同債権買取機構へ売却し,売却額と簿価との差額について無税で損金処理が認められている。また金融機関の系列ノンバンクなどが保有する不動産担保付不良債権についても,当該金融機関経由で共同債権買取機構へ持ち込むことができる。しかし,債権を売却した金融機関は共同債権買取機構がその債権を処分できない場合,そのロスを負担する義務を負っている。同機構は,買い取った担保不動産を処理するとともに,低迷する土地取引の活性化をねらいとする。2001年3月までに,買取価額5.8兆円(債権額15.4兆円),回収額4.7兆円を実現し,以後は買取りを停止(この時点で9.5兆円の損失計上)。→不良債権処理問題

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共同債権買取機構」の意味・わかりやすい解説

共同債権買取機構
きょうどうさいけんかいとりきこう

バブル経済崩壊で生じた金融機関の不良債権の処理を促進するため金融機関が共同で設立した会社。金融機関から不動産担保つき債権を買取り,それによって金融機関は不良債権を償却し経営の健全化がはかれるというのがこの機構の目的。 1993年3月1日に都市銀行,地方銀行など 162の民間金融機関が参加した。債権買取資金は,その債権を同機構に持込んだ金融機関自身が出すため,この機構の設立で不良債権を抱えた金融機関が資金的に救われるわけではない。あくまでも会計処理上の不良債権にすぎないとの見方もある。

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世界大百科事典(旧版)内の共同債権買取機構の言及

【金融機関】より

…バブル崩壊による地価下落→不良債権増加→金融不安という悪循環が株価・景気の足を大きく引っ張っていることをようやく認識・表明したのは,大蔵省の〈金融行政の当面の運営方針〉(1992年8月)である。これにより1993年1月金融機関出資による不動産担保付債権買取会社として共同債権買取機構が設立された。次いで,東京協和,安全の2信用組合が破綻すると,95年1月,その受皿として東京共同銀行が設立された。…

※「共同債権買取機構」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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