内反足(読み)ナイハンソク

デジタル大辞泉 「内反足」の意味・読み・例文・類語

ないはん‐そく【内反足】

足首関節の異常などで、足の裏が内側を向いて外側部だけが地についているもの。先天性のものが多い。内翻足ないほんそく。⇔外反足

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精選版 日本国語大辞典 「内反足」の意味・読み・例文・類語

ないはん‐そく【内反足】

  1. 〘 名詞 〙 足が内側に曲がり、足の裏が内のほうに向いている病気。立つと、足の外べりが下になる。多くは先天性。内翻足(ないほんそく)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「内反足」の意味・わかりやすい解説

内反足
ないはんそく

足の長軸を中心に内旋した状態の足の変形で、先天性と後天性とに分けられる。もっとも多くみられるのが先天性内反足で、後天性内反足にはポリオ脳性麻痺(まひ)など下肢麻痺によるものがある。

[永井 隆]

先天性内反足

代表的な足の先天変形で、内反足に伴って内転足(足の内縁前半部が内転位をとる足の変形)、尖足(せんそく)(足関節が底側屈曲位に拘縮した足の変形)、凹足(足の内側縦足弓が正常より著しい足の変形)がみられ、放置すると足部外側を接地して歩行するようになる。原因は不明で、胎内強制肢位などによるとする説や遺伝説などがある。男子は女子の2倍多くみられる。両側性と片側性がほぼ同数あり、片側性では右足のほうがわずかに多い。生下時に下腿(かたい)後方から見ると、長軸と踵骨(しょうこつ)の軸が一直線にならず前足部の軸が内方に転位し、さらに尖足がみられ、拘縮のため容易に矯正されないことで診断される。生後ただちに行う即時治療が重要視され、新生児期には矯正位が容易に獲得されるし、当然その予後も良好となる。治療法としては、〔1〕徒手矯正および絆創膏(ばんそうこう)固定法、〔2〕矯正ギプス法、〔3〕デニス‐ブラウン装具(金属製の足底板とV字形の金属バーからなる装具)の絆創膏固定法、〔4〕矯正靴および夜間矯正位保持装具の使用、〔5〕手術的治療法がある。なお、成長が終わるまで経過を十分に観察する必要があり、治療の成否は患児の家族の理解と協力に左右されることが多い。

[永井 隆]

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改訂新版 世界大百科事典 「内反足」の意味・わかりやすい解説

内反足 (ないはんそく)
club foot

足が内反・内転・尖足位の形をとる変形を総称し,先天性のものと後天性のものとがある。先天性内反足は,足の先天奇形のなかで最も多く,代表的な奇形であり,約1000人に1人の率で発生し,男子は女子の2倍多く,多因子遺伝によるとされている。足根骨の配列が変わって脱臼したようになり,靱帯(じんたい)や腱も短縮している。治療は生後できるだけ早期から開始する必要がある。矯正マッサージ,矯正ギプス包帯,いろいろな形の装具,矯正靴などで治療されるが,変形の強いものでは硬く短縮した軟部組織を切離する手術も行われ,また成人になるまで残った変形には骨手術も行われる。後天性の内反足は,筋神経疾患,すなわちポリオ,脳性小児麻痺,二分脊椎など下肢の麻痺によって,二次的に内反足変形が現れてくるもので,先天性のものに準じて治療が行われる。
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百科事典マイペディア 「内反足」の意味・わかりやすい解説

内反足【ないはんそく】

足の変形の一種。足裏が内側に向くように曲がったもの。先天性,外傷性,麻痺(まひ)性(ポリオなどによる),瘢痕(はんこん)性(火傷などによる)に区別される。先天性内反足は尖足(せんそく),凹足(土ふまずが異常に高い)などを伴うことが多い。早期治療が必要で,マッサージ,ギプス包帯固定を行う。
→関連項目外反足

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