政府が行う特定秘密の指定・解除や特定秘密を扱う職員の適性評価が適切かどうかをチェックする政府機関。略して「保全監視委」「監視委」などとよばれる。2014年(平成26)10月に閣議決定された「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準」に基づき、特定秘密保護法が施行された2014年12月に内閣官房に設置された。アメリカの国務省、CIA(中央情報局)、国防総省など政府機関代表で構成される「省庁間上訴委員会(ISCAP:Interagency Security Classification Appeals Panel)」をモデルとしている。
内閣保全監視委員会の委員長は内閣官房長官が務める。しかし特定秘密の保護に関する制度の事務を担当する国務大臣が置かれた際には、この国務大臣が委員長を務める。このため初代委員長には、法務大臣の上川陽子(かみかわようこ)(1953― )が就いた。委員会メンバーは内閣官房副長官(2人)、国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官、国家安全保障局長、内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)、内閣情報官、警察庁長官、公安調査庁長官、外務事務次官、経済産業事務次官、海上保安庁長官、防衛事務次官である。つまり特定秘密の指定権限をもつ各省庁の事務次官級で構成されており、実質的に内閣保全監視委員会が指定権限を掌握している。内閣保全監視委員会の事務は内閣官房内閣情報調査室が担っている。特定秘密を扱う外務、経済産業、防衛省などの政府19機関は年に1回、内閣保全監視委員会へ特定秘密の指定状況を報告しなければならない。なお、特定秘密保護法や同制度が適切に運用されているかどうかをチェックする政府内の機関には、内閣保全監視委員会のほかに、内閣府に「独立公文書管理監」と「情報保全監察室」がある。また国会に監視機関として「情報監視審査会」が設けられた。
[編集部 2015年8月19日]
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