デジタル大辞泉
「円教」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
えん‐ぎょうヱンゲウ【円教】
- 〘 名詞 〙 仏語。欠ける所のない完全な究極の教え。天台宗では法華経と捉え、華厳宗では華厳経ととるなど、理解に差がある。
- [初出の実例]「天台円教菩薩戒相承師師血脉譜一首」(出典:内証仏法相承血脉譜(819))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
円教 (えんきょう)
yuán jiào
仏教の思想用語の一つ。完全な教え。大乗仏教の最終真理を指す。円は円満,円融の義であり,方便に対する,真実のことであるが,方便と別の真実か,方便を含む真実かで,その発想の立場を分かつ。すなわち,天台宗で立てる五時八教の説のうち,八教のさいごに円教をおくのは,《法華経》の真理を指し,それ以前のすべての教理が,ここに高まることを意味するが,華厳宗では五教を立てて,さいごに《華厳経》をおき,天台とは,その立場を異にしている。
執筆者:柳田 聖山
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Sponserd by 
円教
えんぎょう
仏教用語。円満な教えの意。中国仏教では諸経論の思想を分類し,教えの浅深を検討することが行われたが,そのなかで究極的な完全な教えを円教と名づけた。この分類にたずさわった人に,北魏の慧光,天台智 顗,唐の法蔵,唐の元政などがいる。慧光,法蔵は『華厳経』,智 顗は『法華経』を究極的な円教とみなした。元政は真言密教を一大円教となし,日本天台の密教はこの説を採用し発展させたもの。円教という語は,すべてが差別をこえ,互いにとけあい互いに完成すると考える天台宗において特に多く用いられる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 