円満(読み)エンマン

デジタル大辞泉 「円満」の意味・読み・例文・類語

えん‐まん〔ヱン‐〕【円満】

[名・形動]
物事のようすや人柄などが、調和がとれていて穏やかなこと。また、そのさま。「円満夫婦」「話が円満に収まる」
まるく満ちていること。特に、顔などが豊かで福々しいこと。また、そのさま。「円満相好そうごう
完全に満ち足りていること。すべて備わっていること。また、そのさま。
「元来家に子を養うて―なりとは」〈福沢福翁百話
功徳などが十分に満ち足りること。願いなどが十分に満たされること。
「一度参詣のともがらは、所願成就―すと承る」〈平家・七〉
[類語]物柔らかおとなしやかおとなしい穏やか穏和温柔柔和

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「円満」の意味・読み・例文・類語

えん‐まん ヱン‥【円満】

〘名〙
① (━する) 仏語。功徳などが、十分に満ち足りていること。願いなどが十分に満たされること。
※秘蔵記(835頃か)「仏万徳円満中福徳辺云宝部」 〔隋煬帝‐入朝遣使参書〕〔仏地経論‐一〕
② (形動) (━する) (①から転じて) 欠けることなく、まるく満ちていること。また、顔などが豊かにふくらんでいるさま。
※浄業和讚(995)上「如来〈略〉相好円満したまひて」 〔南史‐梁武帝紀〕
③ (形動) (②から転じて) 物事の状態が完全で、欠点のないさま。完全無欠。
国語のため(1895)〈上田万年〉今後の国語学「斯くて、其の方向を定めて研究に着手し、不備を補うて円満ならしめんとする」
④ (形動) 人柄、社会、物事のやり方などが、かどだたないで、穏やかなさま。
青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「家庭の幸福とか、夫婦間の円満とか云ふものは」

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普及版 字通 「円満」の読み・字形・画数・意味

【円満】えん(ゑん)まん

仏教語。みち足りる。〔南史、梁武帝紀〕り、壇上に圓滿し、朱紫白雜色あり。頃(しばら)くにして乃ち滅す。

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