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再生エネルギー特別措置法案 さいせいえねるぎーとくべつそちほうあん

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知恵蔵2015の解説

再生エネルギー特別措置法案

再生可能エネルギーの利用拡大を図るため、発電事業者が太陽光や風力など再生可能エネルギーによって得た電力を、一定の期間、一定の価格で電力会社が買い取ることを義務付ける固定価格買取制度」を導入することを目的とした法案。経済産業省による。正式名称を「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」とし、2011年4月、政府から第177回通常国会に提出された。
エネルギーの安定供給を確保するとともに二酸化炭素の排出を削減し地球温暖化問題への対応を図るといった観点から、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーによる発電の拡大が求められている。このために、02年に電力会社に一定割合で再生可能エネルギーの導入を義務付ける「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」が制定された。しかしながら、安定性やコスト、発電量の問題などから、電力会社が自社の発電方式を再生可能エネルギーに大きく転換していくことは難しい。また、1995年の電気事業法改正により独立系発電事業者(IPP)の参入が可能になったものの、電力会社側からすれば自社の発電よりも高いコストを負担して、新エネルギーによるIPPから電力を買い取ることにメリットが見いだせず反発を強めた。これらの理由から、制度についての取り組みが遅れていた。
このため、新たに提出された「再生エネルギー特別措置法案」では、電力会社に対して経済産業大臣が定める期間・価格で買い取る(調達する)よう義務付け、発電事業者が設備投資を行う際の回収リスクを減らして新規投資を促すものとした。また、電力会社が買い取り費用に充当するために一般家庭・企業などの需要家に賦課金(サーチャージ)を請求することを認め、地域間でサーチャージの負担に不均衡が生じないよう交付金を設けた。
法案は、鳩山前内閣時代から準備が進められ、震災前に閣議決定されていたものだが、福島第一原子力発電所事故による原発優先策の見直しにより、再生エネルギー利用の拡大が急務となったことから衆目を集めている。2次補正予算案、公債発行特例法案とともに菅直人首相が退陣の条件とした3法案の一つで、「関連産業の成長を通じた市場の確保と雇用の増大に大きく貢献する」との趣旨で審議入りした。ただし、サーチャージは電気料金の上乗せであり国民の負担に他ならない。また、原発に代わってソフトバンク孫正義社長の提唱する「自然エネルギー協議会」に利権を新たに付与するものではないかとのうがった疑念の声があり、菅首相の「延命姿勢」について野党からの不信感もある。このため、成立に至るまでの修正協議の動きが注目されている。

(金谷俊秀  ライター / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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