凍雨(読み)とうう

精選版 日本国語大辞典 「凍雨」の意味・読み・例文・類語

とう‐う【凍雨】

〘名〙
① 冬の雨。氷のように冷たい雨寒雨。特に、みぞれをさすこともある。《季・冬》
※再昌草‐永正四年(1507)一二月一六日「霏々凍雨暮雲寒、夜寒無風雪覆巒」 〔梁簡文帝‐玄圃納涼詩〕
② 落下中の雨滴が凍結して透明または半透明の氷の粒となったもの。〔雪(1938)〕

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デジタル大辞泉 「凍雨」の意味・読み・例文・類語

とう‐う【凍雨】

氷のように冷たい冬の雨。寒雨。
雨滴が空中で凍り、透明な氷の粒となって降ってくる現象。また、その氷の粒。

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改訂新版 世界大百科事典 「凍雨」の意味・わかりやすい解説

凍雨 (とうう)

雨粒が雲から落ちてくる途中で,気温が0℃以下の層を通過すると雨粒は凍結し,氷の粒となって降ってくる。この氷の粒,あるいはそれらが落下する現象を凍雨という。氷の粒は普通直径1~4mm,透明または半透明で,形は一般に球形であるが,角(つの)が出て不規則な形をした場合も多い。中心部が凍結しきれず,水が閉じ込められて残っていることもある。凍雨はアメリカカナダでは珍しくないが,日本ではまれにしか降らない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「凍雨」の意味・わかりやすい解説

凍雨
とうう

凍った雨滴が降ること。だいたい透明で、径は数ミリメートル以下。小さなガラス玉のようにみえる。地面近い層に上空よりも寒冷な空気があるとき、落下する雨滴が冷却されてできる。

[篠原武次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「凍雨」の意味・わかりやすい解説

凍雨
とうう
ice pellets; sleet

透明な氷の粒の降水。直径は 5mm未満。球状または不規則な形でまれに円錐状をしている。一般に高層雲乱層雲から降る。天気予報ではとして扱う。

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百科事典マイペディア 「凍雨」の意味・わかりやすい解説

凍雨【とうう】

雨滴が0℃以下の気層を通過し氷の粒として降ってくるもの。透明または半透明で,形は球状または不規則。直径は1〜4mm。→あられひょう

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普及版 字通 「凍雨」の読み・字形・画数・意味

【凍雨】とうう

ひさめ。

字通「凍」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の凍雨の言及

【雨】より

…直径がほぼ1mmからそれ以上の大きさの雨滴からなり,対流性の雲より降る。(i)凍雨 凍結したまま降る雨。透明または半透明で球形または不規則な形をしており,直径1~4mm程度で,雨滴が0℃以下の気層をとおるときできる。…

※「凍雨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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