原子の幾何学的配列から推定される分子構造が本来の分子模型で、メタン分子の正四面体型構造や、ベンゼンにおける炭素原子六員環構造などがそれに相当する。しかし、分子構造解析の技法が進歩した現在では、球や棒などを用いて立体的に組み立てられる模型をさすのが普通である。研究者が木、紙、プラスチックなどで自作するものもあり、セットあるいはキットとして市販されているものもある。市販品のなかでHGS模型は、結合の方向に穴をもつ多面体あるいは球を原子とし、プラスチックの棒を結合とするもので、結合角、結合距離を理解するのに適している。ドライディング模型は、結合の方向に継手(つぎて)をもつジョイントで原子、金属棒で結合、適当な部品でベンゼン環などの構造を表すもので、これも距離や角度の理解に適する。スチュアート模型は、原子をファン・デル・ワールス半径の球あるいは部分球とし、凹凸の結合部あるいは結合部材で連結するもので、分子の大きさ、形、立体障害の理解に適する。
コンピュータの利用によって紙面あるいはスクリーン上に分子あるいは結晶構造の二、三次元的画像を描出する方法は、既知の構造を理解するだけでなく、新しい分子の設計合成の手段としても利用される。
[岩本振武]
分子内の原子の相対位置や分子全体の三次元構造を理解するために考案された模型.広く使われているものには,原子の空間的な広がりを無視して結合距離と原子核の位置を示すドライディング模型,それに原子の相対的大きさを加味したHGS模型,空間実体を示すCPK模型などがある.それらは,分子の形や大きさの理解,配座解析,反応時の立体障害の見積もりなどに用いられる.図はいずれもエタンの模型である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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