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配座解析(読み)はいざかいせき(英語表記)conformational analysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

配座解析
はいざかいせき
conformational analysis

種々の物理化学的測定法,有機化学反応,および分析法を利用して分子立体配座を決める方法。立体配座の研究は分子を動的に扱い,きわめて短時間に存在する分子の形を追究することが多い。対象となる化合物も簡単なものから複雑なものまで多種多様であって,多くの解析法が用いられる。たとえばエタンは気体で,融点がきわめて低く,分子の形が対称であるために,X線回折や双極子能率測定を用いることができない。したがって分子の内部エネルギーについての熱力学的計算とラマンスペクトル,赤外線スペクトルが用いられた。ジクロロエタンは塩素原子が存在するために,対称性が低く,結合に極性があるので,双極子能率,赤外線スペクトル,電子線回折などが有効に使われて立体配座が決められた。イス形のシクロヘキサンは電子線回折や赤外線スペクトルによって立証され,分子内水素原子の反発力については熱力学的計算が行われた (→イス形 ) 。また水素原子の運動については核磁気共鳴吸収が用いられた。ある種のシクロヘキサノール誘導体は水酸基がアクシアル結合で炭素原子環に結合しているものと,エカトリアル結合で結合しているものとがある。この解析には化学反応 (後者は容易にエステル化される) が用いられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

はいざかいせき【配座解析 conformational analysis】

単結合のまわりの回転によって,他の可能な配向とは異なる分子の中の原子の特定の配向を配座または立体配座という。単結合のまわりの回転が可能な分子には原理上無数の配座が可能であるが,分子が実際にどのような配座をとるかを決めることを配座解析という。単結合C―Dのまわりの回転についての配座解析では,原子の配向を二面角で定義する。すなわちB,Cに結合した原子をそれぞれA,Dとするとき,面ABCと面BCDが挟む角(二面角)Φによって,非直線的結合ABCD,したがってそれを含む分子の配座が定義される。

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